ホーム岡山畜産便り > 岡山畜産便り1998年7月号 >「岡山畜産便り」500号発刊を記念して

「岡山畜産便り」500号発刊を記念して

岡山県農林水産部長 
村 上 行 範

 社団法人岡山県畜産会発行の「岡山畜産便り」が,この度第500号を迎えられましたことに対し,心よりお喜び申し上げます。
 昭和24年11月創刊以来,畜産の情報発信源として,50年にわたり岡山畜産の発展とともに歩み続け,関係者に親しまれてきた「岡山畜産便り」を,途絶えさすことなく育んでこられた関係各位のご尽力には,深く敬意を表する次第であります。
 我が国の畜産は,食生活の多様化による需要の増大を背景として,順調な発展を遂げ,国民の食生活の改善をもたらし,且つ我が国農業の基幹部門に成長してまいりました。
 しかしながら,近年,ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に基づく貿易自由化の進展や国際化への一層の対応,担い手不足,飼育頭羽数の減少など畜産をとりまく情勢は益々厳しくなっております。加えて,畜産物の安全性確保に対する社会的要望の増大,環境汚染問題,さらに規模拡大と集約化や飼養形態の変化等に随伴した各種疾病の多発など複雑且つ大きな問題をはらんできております。
 このような状況の中で,国民生活に欠かせない安全供給をはじめ,地域社会の活力維持,国土や自然環境の保全等我が国の畜産の果たす役割は今後一層多様かつ重要になってくるものと考えられます。
 一方,我が国は国際化,少子・高齢化,そして景気の低迷と,経済構造の大きな変換期を迎えており,国,県におきましては抜本的な行財政改革が求められております。
 県としましては新たな時代を切り開くための基本戦略を掲げ,時代の進展に対応し,英知と努力を結集した施策・事業を着実に推進していくこととしております。畜産については生産性の向上と低コスト生産による内外格差の縮小を基本として,飼料基盤の整備,家畜改良の促進,価格安定対策の強化を図るとともに,新技術の開発や普及に努めるほか流通の合理化や,本県ならではの畜産物の銘柄化,6次産業化の推進等,一連の施策を積極的に推進し,国際化に対応しうる畜産経営の実現を目指してまいりたいと考えております。
 また,平成12年には本県において「第11回全日本ホルスタイン共進会」の開催を予定しており,21世紀の幕開けに相応しい盛大な酪農の祭典となりますよう努力してまいりますので,皆様方にも一層のご支援を賜わりますようお願い申し上げます。
 最後に,今後とも「岡山畜産便り」が畜産情報誌として,より多くの人々に愛読されますようお祈りいたしますとともに,社団法人岡山県畜産会が畜産関係団体の中核として今後ますますご発展されますよう祈念いたします。