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「新庄村酪農組合の取り組み」

真庭農業改良普及センター

1.はじめに
 新庄村は,岡山県の最北端に位置し,北と西は鳥取県に,東は蒜山地域に接しており1,000m級の美しい連山に囲まれた,林野率91%の山村地域であります。
 このような山村地域にあって,現在,飼料価格の高騰や乳価の低迷により苦境に立たされている酪農経営を,活発な活動と工夫で元気に乗り越えてきている新庄村酪農組合について紹介したいと思います。

2.新庄村酪農組合の概況
 乳用牛の飼養状況は,表1からわかりますとおり,平成5年からの飼養頭数は,増加傾向に推移しています。県下で減少傾向の顕著な酪農家戸数においても減少しておらず安定した状況にあることが示されています。
 また,村内の成牛1頭あたり乳量も約8,400sと県下でトップクラスで,酪農組合全体のレベルの高さを示しています。

表1.酪農家戸数及び乳用牛飼養頭数の推移

項目    年次
H5
H6
H7
H8
H9
酪農家戸数

成牛頭数

(ホルスタイン)

 

105

 

168

 

184

 

194

*

189

真庭家畜保健衛生所 H9.8.1調べ

平成9年度出荷乳量  1,582t*2
成牛1頭当たり乳量= 1,582t*2/189頭= 約8,400kg/頭

3.酪農組合の活動と取り組み
 このような素晴らしい状況を支えてきたのは,その時々における組合の先進的な取り組みにあります。
 平成2年には,村内の牛群レベルアップを図るため,乳量2万s以上を出している牛の系統牛ホクソー アルマー オーガスト イレブン イティー号を北海道から導入し,ETドナー牛として供用しました。
 先日その導入した系統産子が,日本ホルスタイン登録協会発表の府県・年型別歴代能力評価におきまして乳量の部で,歴代トップとなり,その先見性が示された形となりました。また村内には,受賞した牛以外にも同じ系統の牛が20頭近く飼養されており今後の活躍が期待されています。
 また最近では,酪農の収益性低下に対応する形で,和牛繁殖農家と連携して,酪農家は分娩まで,哺育・育成は和牛繁殖農家というET和牛子牛生産システムの確立にも取り組んでおり,昨年度から和牛ET子牛の出荷も始まっています。
 組合の活動は,このような経営面だけの取り組みだけでなく夏場の畜舎消毒(4〜10月 2回/月)による害虫駆除など地域環境に配慮したものも行っています。

4.今後の展望
 有機質の地域内供給や転作田の活用による月給飼料生産など,現在の酪農経営は地域との密接な連携なしでは,順調な発展は考えられません。
 当組合では,現在村で計画中の共同堆肥化センターへの積極的な参画を中心に,今後とも地域に根ざした活動を続けていきたいとのことです。