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〔普及現場からの報告〕

哲多町堆肥供給センター稼働

阿新農業改良普及センター

はじめに
 哲多町は,人口4,136人,総世帯数1,180戸,総面積107.4hである。農業の概要については表1のとおりで,水稲を基幹に肉用牛や野菜等を組み合わせた複合的な農業が行われている。平成8年度農業粗生産額17.5億円,米4.5億円,ブロイラー4.3億円,肉用牛3億円,鶏卵2.6億円,トマト0.7億円の順となっている。

表1 農業の概要
区分
哲多町
農家数
専業

87戸

兼業

463戸

550戸

総耕地面積

434ha

119ha

樹園地

31ha

牧草地

67ha

651ha

1.哲多町堆肥供給センター設置の背景
 哲多町の畜産の現状は,表2のとおりである。家畜の糞尿は,耕種農家と有機的な繋がりの中で処理されているが,自己完結型が大半である。一方,大型化に伴い処理施設の不備等での環境汚染が問題となってきた。これらの問題解決と家畜糞尿の有効利用による有機農業を推進するため,町に畜産環境改善検討委員会が設置され,町民アンケート,先進地事例調査などを重ね,堆肥の安定供給,堆肥センター設置の要望,必要性も高いこと等から,堆肥センター構想が具体化されることとなった。

表2 畜産の現状
区分
頭数
戸数
肉用牛 繁殖   430頭

71戸

肥育   870    3
ブロイラー

20万羽

   2
採卵鶏    18    2
養豚 3,500頭    2

2.堆肥供給センターの概要
 平成8,9年度環境保全型畜産確立対策事業により総事業費6.17億円で施設整備を行い,平成10年4月から堆肥の試験製造を開始した。この施設は町が事業主体となり建設し,受託管理会社「有限会社 哲多町堆肥センター」に運営管理を委託し,町内の畜産農家からの家畜糞尿を引き受け堆肥の製造を行う。施設規模は,(表3)のとおりである。

表3 哲多町堆肥供給センター概要
敷地面積 12,000u
述床面積 発酵処理棟 2,662.4u
完熟棟  533.0
袋詰め棟  389.7
管理棟   42.5
構造 鉄骨スレート葺平屋建
施設設備 発酵処理機械

3基

送風設備

1式

原料貯留槽

4槽

混合機

2基

コンベアー

1式

脱臭装置

1式

秤量装置

1台

袋詰装置

1台

堆肥切返機(ショベルローダー)

1台

製品積込機(フォークリフト)

1台

堆肥散布車

1台

堆肥運搬車

2台

3.受託会社の概要
 有限会社 哲多町堆肥センターは,平成10年7月14日設立し,出資農場5農場(肉用牛2,養鶏,ブロイラー,養豚)と2農場の協力を得て,正社員1名で(施設,機械,運転管理)事業を開始した。

4.家畜糞尿の処理方式
 堆肥供給センターの処理方式は,「スクープ式撹拌強制発酵方式」を採用している。そのフローは,(図1)のとおりである。原料は,各農場,畜種毎に指定された貯留槽に投入し,混合し発酵槽へ堆積,順次,養生槽,完熟槽へと移動させ150日を掛けて製品として出荷する計画である。発酵時温度が70℃以上となり,病原菌,害虫卵,雑草種子は,ほとんど死滅する。原料の水分調整は,各農場,農家において65%程度に調整済みの物とし,公道運搬での住民への配慮とセンターでの作業の煩雑さを防ぐため協定している。

5.挙N多調堆肥センター運営体制は,(図2)のとおりである。

図2 有限会社 哲多町堆肥センター組織図

哲多町

  ↓    <委託>

哲多町堆肥促進協議会

(町・JA・各種団体等)

  ↓ ↑  <協議>

(有)哲多町堆肥センター
<販売元>

JA阿新

JA岡山経済連

  ↓    <管理・運営>

(有)哲多町堆肥センター

6.運営計画の概要
 製品のネーミングは「すずらん堆肥」とした。「すずらん堆肥」の販売は,平成10年9月末からである。販売形態・価格は(表4)のとおりである。また,農家の希望により圃場散布も行う。
 販売方法は,袋詰めは,JAでの注文やセンター渡しとで行う。
 今後,町としては,「すずらん堆肥」を使った「有機の郷」づくりを,積極的に推進する計画である。

表4 すずらん堆肥販売価格
販売形態
単価
袋詰め(40g17kg) 配    達   390円
センター渡し   340
バラ積み 1t 配    達 4,000
(フレコンバックは500kgバック) センター渡し 3,500
ほ場散布料金トン当たり        1,000