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新年のご挨拶

社団法人 岡山県畜産会
会長 池 田 隆 政

 皆様あけましておめでとうございます。
 平成11年の新春を元気に迎えることのできましたことを感謝するとともに,所信の一端を申し上げ,皆様とともに新しい年への決意を新たにしたいと思います。
 昨年を振り返って見ますと,やはり,激動の年であったと言えましょう。日本列島総不況といわれ,政治経済面では,行政改革を柱に経済復興を進めていた橋本内閣が,小渕内閣に代わり,平成の高橋是清といわれた宮沢元総理が大蔵大臣として起用されたにもかかわらず,なかなか経済は回復せず,会社の倒産,リストラは続き,完全失業率もかって経験したことのない4.4%になったと新聞にも報じられました。ある県では,財政緊縮から,予算の見直しのみならず,職員のボーナスカットをしたところもあるとか。
 社会面では,和歌山のカレー事件を発端に,全国的に毒物による殺人の連鎖反応を生じ,全く人間不信になりそうな時代です。少年犯罪,交通事故の増加等,何か人の命も安っぽく感じられます。その他,少子化,ダイオキシンをはじめとする環境汚染問題,環境ホルモン,地球の温暖化等数え上げればきりがありません。
 このような状態のなかで,農業,畜産関係の面でも,農家戸数の減少に伴い,各地で農協の合併が進展するなかで,われわれの畜産関係団体もその影響を受けようとしております。
国も,農業基本法を見直して,国際競争力を勝ち抜く,足腰の強い農家を作ろうと,いろいろな施策を検討しており,農業団体の業務も年々複雑,多様化してきております。
 しかしながら,少なくとも,国民のエネルギー源となる食料を扱う我々としては,何としても,国民の食料需要を満たす“業”と名のつく畜産業を作らねばならないという使命があると思います。安全で,おいしく皆に食べて頂ける畜産物の供給,これらを生産してくれる農家をいかにして育成していくか,どうしたら畜産が伸びるのか。畜産関係者が一丸となって考える必要があると思います。
 現在,発展している産業の原動力は,ひとつは「アイデア」,いまひとつは「女性の力」ではないでしょうか。畜産においても,女性が楽しく頑張っているところは経営も良好のように思えます。今後の農業の向上,発展は女性の活躍に期待するところが大きいのではないでしょうか。
 本会としましても,このような状況に対処するため,関係機関との連携を保持しながら,総合的な畜産指導機関としての位置づけを明確にしつつ,本県の畜産振興に役立つような畜産経営の調査,分析や情報の収集,提供の他,生産から流通にいたる幅広い各種事業をより積極的に推進して参りたいと考えておりますので,今後ともよろしくお願いする次第であります。
 21世紀まで残るところ1年となりましたが,皆様の新しい年にかける夢と意気込みに期待し,お元気で本年もご活躍されることを祈念申し上げ,新年のご挨拶とさせていただきます。