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黒豚飼育の現状と展望

給ヲ和養豚代表取締役 黒 籔 光 廣

 私は,昭和54年給ヲ和養豚を設立し規模拡大を実施しながら現在は,年間約1万頭程度の肉豚を生産しています。
 黒豚の導入を検討していた当時は,経済成長も伸びており全国的に銘柄豚を作出し差別化商品としての肉豚生産が求められていました。協和養豚としても,黒豚を肉豚出荷頭数の約1割程度の規模で飼育し高付加価値肉豚生産を検討した。平成元年に鹿児島県へ視察に行き,黒豚飼育並びに流通実態を研修すると同時に導入について具体的に検討した。当時は,行政も黒豚振興を検討しており「岡山黒豚」のブランドを確立するよう施策を組んでいました。最初の黒豚は,雌30頭・雄3頭を鹿児島県より導入したが,飼育成績が悪く生産頭数も少なく,計画出荷が立てにくい実態であった。更に,肉豚販売においても公設市場でのセリ流通は確立されておらず,相対へ取引を経済連と協議し販売先を検討したが,産地の希望する価格や条件での販売先が見つからなかった。その結果市場が求める出荷条件を満たす為に,生産頭数の増頭を検討した。これは町内に新規に繁殖農家を育成し,母豚30頭規模の黒豚飼育を委託するとともに,直営の黒豚30頭規模を50頭に拡大した。更に,平成7年頃町内の既存の繁殖農家を黒豚飼育農家に変更するようお願いし,母豚で30頭規模の繁殖農家が確立された。これで母豚110頭規模の生産体制が確立され現在も続いている。
 種豚及び更新豚の供給は,当時県内に無く鹿児島県にお世話になりながら増頭してきたが,導入開始数年後ね全国的にオーエスキー病が広まり県外導入豚の隔離飼育の必要が行政指導であったが県外導入体制が確立されておらず,隔離飼育の委託場所を探して県内を回ったが,隔離豚舎というイメージも悪くなかなか見つからず大変苦労したが,ある養豚廃業農家へ困っている事を相談すると私の意見に賛同してくれ助けていただいた。この件については,行政や経済連も心配され物心両面でお世話になりました。現在では行政も,岡山黒豚ブランドを確立し生産農場の振興を図るために,岡山県畜産センターにおいて外国から3ケ年間に渡り,イギリスバークシャー種を導入され品種改良とより高品質の岡山黒豚を作出し種豚を供給していただき,安心して生産農場が黒豚を飼育できる事に対して感謝しております。
 しかしながら,販売先からも「見せられる農場づくり」を求められ,何時でも消費者の方が来て見てもらえる農場づくりに努力しております。飼料についても黒豚専用飼料を開発し,高付加価値のある肉質生産に努め,消費者の方に安心して購入してもらえるよう専念しています。
 今後「岡山黒豚」のブランドを維持し拡大するために,生産農場の規模拡大をする事が急務の課題であるが,「岡山黒豚」の流通・販売を早急に確立し生産者が安心して飼育出来る仕組みの構築を関係機関に要望します。
 又,現在公正取引委員会で検討している黒豚表示問題について,黒豚の生産頭数よりも販売頭数の方が遥かに多い実態については憂慮される問題であり,今後生産者と消費者が一体となって食品問題について考える事が重要な課題であると思います。
 最後に,養豚生産者が安心して経営持続が出来るように,岡山県総合畜産センターにおいて一層の改良と生産性の向上に資する生産研究を進め,幅広く生産者へ普及して欲しい。