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〔地域情報〕

「(財)富畜産公社の肉用牛一貫経営の取り組み」

津山地方振興局農林水産事業部畜産係

1.はじめに

 苫田郡富村は,古くから木材や和牛の産地として知られる標高400m以上になる中国山地の山間の村です。平成3年に標高1,100mの大空山に黒毛和種専用の育成牧場が整備され,7富畜産公社が管理運営しています。
 今回は,大空山育成牧場で取り組まれている放牧を取り入れた繁殖から肥育までの黒毛和種の一貫経営について紹介します。

2.経営の概要

 現在,富村からの出向職員1名,正職員1名,パート職員4名の合計6名で飼養管理しています。
 繁殖部門では,繁殖牛を54頭程度飼育しており,6月〜11月の6ヶ月間を大空山に広がる35ヘクタールの放牧場で飼育しています。放牧するのは,種付けの終わった繁殖牛で年間35頭前後になります。子牛の管理面では,授乳を2ヶ月令から制限給与,4ヶ令で完全離乳を行い,子牛の第一胃づくりと繁殖成績の向上に努めています。
 肥育部門では,162頭を飼育し,年間100頭前後の出荷を行っています。4規格以上の上物率については平成7年及び8年と49.5%及び55.9%と順調に推移しましたが,9年は40%を若干下回りましたので,飼養管理の各項目について点検が行われました。

飼養頭数の推移
  H7 H8 H9 H10
繁殖牛 72 65 61 54
肥育牛 162 144 154 162
育成牛 12 12 11 8
哺育牛 18 19 20 23
264 240 246 247

 なお,平成10年12月10日に開催された第37回岡山県枝肉共進会では最優秀賞を受賞しました。また,岡山県が行っているフィールド検定を実施しており,千代丸号,清福号,守藤号,藤姫丸号の検定調査を行っています。

枝肉成績
  H7 H8 H9
5(規格) 9.1 14.0 12.5
40.4 41.9 25.9
34.3 32.6 46.4
15.2 11.6 15.2
1.0 0.0 0.0
出荷頭数 99 86 112

3.今後の課題

 関係機関の指導方針,事業計画を次のようにしています。
 @ 現在繁殖60頭,肥育150頭程度で舎飼による頭数はまかなっているが,夏期の放牧期間中の預託においては受入余裕があり,利用率を上げていく。
 A 各種事業により,放牧衛生,施設整備等に対応していく。
 B 定期検診並びに,飼養管理の改善により繁殖成績と枝肉成績の向上をはかる。
 最後に,標高1,100mの放牧場からのながめは絶景であり,パラグライダーの発信基地としても知られています。消費者が,緑資源とふれあう場となっていってほしいものです。