養鶏振興について

岡山県農林水産部畜産課

 本県の養鶏振興については,国際化の進展に対応した低コスト生産と企業的な経営の育成を重点に推進していますが,近年,消費者の食品に対する安全性について関心が高まってきていることから,県内の鶏肉加工や鶏卵処理の分野においても,国際的に標準となりつつあるHACCP方式に準じた施設の整備など,高品質で安全な製品を消費者に供給できるよう努めています。
 鶏卵は,生産と消費のバランスによる経営の安定を図るため,国の指導により各県の鶏卵需給調整協議会を中心に計画生産を推進し,卵価の安定に努めています。計画生産は全国枠を各県に配分することで行われており,現在の枠は平成3年に配分されたもので,成長を続けている本県の養鶏産業や発展的な経営に歪みを生じているのではないかとの意見もあり,制度の見直しも含め,我が国全体の課題として検討される時期ではないでしょうか。
 鶏肉については,岡山県産の約60%を京阪神に出荷する一方で県外産が大量に移入されている実態があります。これは,大手鶏肉販売会社が販売網の一つとして本県に支店を構えるなど,全国ベースで販売されていることに加え,県民が求める特色ある鶏肉が少ないのが大きな要因と思われます。こういった弱点を早急に打開するため,「県産ブロイラー」や「おかやま地どり」など,優れた県産品の生産と消費拡大について関係機関が一体となって取り組むことが重要ではないでしょうか。
 最近,スーパーなどで「うちの商品は新鮮でおいしい」という一般的なキャッチフレーズに加えて,「厳選した安全なものを仕入れているので商品に妥協はありません」という量販店自らの厳しい姿勢をアピールするとともに,本物志向の消費者には少し高くても有名な商品をPRするなど,品質にこだわる傾向が強くなっていることから,鶏卵については,白玉や赤玉のように卵殻色での差別化だけでなく,ポストハーベストフリー飼料の給与による安全性のアピールや,木酢,酵素等の飼料添加による卵質改善に加え,小規模農家でしか対応できない平飼い卵や放し飼い卵のように自然回帰型の飼養形態で差別化が行われ,鶏肉では,出荷日齢54日のブロイラーに比べて出荷日齢や給与飼料を変えた銘柄鶏,日本の在来鶏を長期間肥育した地鶏などで差別化が図られています。
 いずれにしても,国際化という時代の中で安定的な経営を継続してくためには,消費者ニーズに応えた鶏卵・鶏肉の安定的供給であることは言うまでもありませんが,今一度経営者が消費者側に立ち,消費動向を的確にリサーチし,また,関係者一人一人が創意工夫し,明確な役割分担により業界発展へ積極的に参画することが必要と考えます。