鶏肉の味について

岡山県総合畜産センター中小家畜部養鶏科

 食品の呈味成分(味成分)は,アミノ酸,ヘプチド,糖,核酸関連物質等が挙げられていますが,それら全てが一様に呈味に影響するのではなく,個々の食品に特有の成分のバランス(偏り)があり,その影響を受けて固有の味を醸し出しています。
 食肉のおいしさは肉質により,形状(きめ,しまり等),色,テクスチャー(かたさ,口ざわり,多汁性等)や味,香りによって構成されます。中でも,食肉の味は,うま味,塩味,酸味,苦味,甘味の五つの基本味,肉様の味,及びこくから成り立ち,大部分は肉中の微量成分が決定しています。(下図)
 鶏肉は,成鶏肉,ブロイラー,銘柄鶏,及び地鶏に分類され,銘柄鶏及び地鶏が含まれる高品質肉用鶏の鶏肉の特徴は,銘柄毎に多様であり,色,味,歯ごたえ(かたさ),鶏臭のマスキング,鮮度等で差別化が行われ販売されています。
 鶏肉の味成分は,グルタミン酸及びイノシン酸がうま味の主成分であり,両成分はうま味の相乗効果を有し,微妙なバランスや量の差が味に影響します。また,貯蔵による熟成が味を強め,鶏肉の熟成は1〜2日で完了します。この間に,鶏肉中のグルタミン酸は増加し,一方,イノシン酸は増加後,減少することが知られています。4℃貯蔵の場合では,と殺後8〜12時間で最高値に達し,48時間後では7割程度まで減少します。貯蔵温度により濃度が異なることから,いかに優れた因子を持つ肉用鶏を作出しても,と殺後の鮮度管理や流通時の保存状態は,おいしさの重要な要因となります。つまり,4℃で貯蔵した場合,鶏肉はと殺後8時間から24時間の間(鶏肉を買ったその日のうちに)に食べるのが一番おいしいということになります。
 生産者は,よりおいしい鶏肉を消費者に供給することは「安全」とともに,これからの生産・販売にとって最重要課題であり,消費者は,安全でよりおいしい県産鶏肉の消費拡大を進めてほしいものです。

図 食物のおいしさを構成する諸要因