ホーム岡山畜産便り > 岡山畜産便り1999年5・6月号 > 畜産事業対策〔重点実施策〕

畜産事業対策〔重点実施策〕

岡山県経済農業協同組合連合会

 畜産を取りまく環境は,輸入畜産物の増大や消費の落ち込みに起因する価格低迷による生産意欲の減退,農家の高齢化や後継者不足によって生産基盤が全体で脆弱化する中,一方では企業畜産での取り組みがすすんでいます。この様な傾向の中で,本会では実験農場及び受託農場の成果をふまえ,JAグループ一体となり企業畜産や大型農場への事業対応に取り組みます。また,最近環境問題に大きな関心が寄せられている中で,ふん尿処理対策等の研究をすすめます。
 県産畜産物の販売については,県行政と連携し各種銘柄推進協議会を柱に,銘柄確立をはかるとともに県産品のPRを積極的にすすめ,有利販売につとめます。さらに,畜種毎には契約生産をすすめ,県内消費を基本に量販店への販売対応を強化します。また,ユーザーの要望する付加価値商品の開発につとめます。
 食肉加工販売については,ミートセンターでの自主検査頻度・検査対象項目を増やすなど衛生検査体制を強化し,安全性の高い食肉商品を消費者に届けます。また,食肉の加工,調理分野に於ける新商品の開発をすすめ,販売拡大につとめます。
 鶏卵販売については,GPセンターの衛生検査体制を強化するとともに,ニーズをとらえ商品づくりまでの機能の充実をはかり,系統特約店との連携を強化し販売体制の確立に取り組み,販売拡大につとめます。
 産地市場については,県内和牛生産子牛を有利販売するため県外顧客誘致を行います。また,一般市場については中国・四国地区の広域流通の拠点として機能強化につとめます。
 飼料事業については,銘柄整理とバラ配送の直送化の拡大や粗飼料は全農サイロ久世SPを拠点とした物流の効率化によるコスト低減とシェアアップ運動等を積極的に展開し取扱数量の拡大をはかります。

〈畜産課〉
1.生産基盤確立

 (1) 肉用牛一貫体制の確立及び生産基盤の再構築をすすめます。
 (2) 和牛繁殖は大型団地を核に,新しい繁殖団地育成をすすめ,また,肥育団地の育成をすすめます。
 (3) SPF豚受託事業での運営管理のデーターを生かして養豚事業の経営管理の確立をします。
 (4) 全農と一体となり新しいSPF種豚場の研究をすすめます。
 (5) 各種安定価格事業の加入を促進します。

2.種畜改良と各指導事業の強化
 (1) 和牛育種価数値を基本とした県内基礎雌牛の更新を促進するとともに優良雌牛の保留を促進します。
 (2) 関係団体と連携して,肥育牛の肉質向上をはかるため肥育技術の確立をすすめます。
 (3) 種豚の適正更新と人工授精技術の普及推進により低コスト生産をすすめます。

3.流通販売対策
 (1) 県内消費を基本に指定農場を設定し量販店との契約販売をすすめます。
 (2) 県産食肉の加工,調理品分野への取り組みを強化します。
 (3) 還元肉,リーズナブル牛肉及びSPF豚の販売を推進します。
 (4) 産地市場では優位な素畜価格の形成と維持につとめ,また,一般市場では有利販売により広域流通の拠点として,集畜拡大につとめます。

〈養鶏課〉
1.採卵鶏の生産基盤の確立対策

 (1) さくらたまごや平飼いたまご等の高付加価値卵の需要拡大を通じて生産拡大に取り組みます。
 (2) 鶏卵の販売展開と連動した推進により系統未利用農家の系統利用を促進します。

2.鶏卵の販売流通対策
 (1) 消費者ニーズに対応した高付加価値卵の開発と販売拡大に取り組みます。
 (2) 量販店のニーズに応えた商品づくりのため,GPセンター機能を充実します。
 (3) 販売専任担当制を設けるなど,販売体制を確立し,販売力を強化します。
 (4) 鶏卵安全性指標の定着をはかり,衛生対策を徹底します。