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6次産業化に対する酪農家の意識(乳加工ニーズ)調査の結果について

岡山県総合畜産センター 経営開発部  
研究員 栗木 隆吉

 農業の6次産業化の取り組みが県内でも盛んになっています。6次産業化とは,1次産業である農業に加工,流通といった2次,3次産業の機能を複合させ,地域における総合産業に発展させることをいいます。酪農においても,蒜山地域に代表されるように生産者が生乳を直接,加工・販売する事例が着実に増えており,今後も増えると予想されます。
 そこで,こうした動きに対する技術的な支援体制を整備する目的で,昨年度,県内の酪農家を対象に「乳加工ニーズ調査」を実施しましたので,その結果の概要を紹介します。
 調査は140の酪農家に直接アンケート用紙を送付し,回答してもらう形式をとりました。回答率は44%(63件)でした。

1.乳加工に対する関心の程度は…
 まず,「酪農家による乳製品の製造および販売は増えるか」という問いに,66%が増加すると答えています。販売を目的とした製造について,「非常に関心がある」37%,「多少関心がある」45%と回答者の8割以上が何らかの関心を持っていました。その理由として,生乳生産だけでなく,乳製品を製造販売することで,消費者との結びつきを強化したいとする姿勢があげられました。
 逆に,「関心がない」のは時間的,労力的に余裕がないからという回答が多くありました。

2.どんな製品を作りたいか…
 「製造したい乳製品」としては,アイスクリーム,ヨーグルトの希望が高く,その理由は「消費が期待できる」35%,ついで「地域性がだせる」「製造が比較的簡単」が各々23%でした。

3.酪農家の製品として大切にすべき点は(複数回答)…
 酪農家が作る乳製品は,「安全性」47%,「消費者との交流」25%,「手作り」25%,「高品質」20%の特徴を大切にする必要があると答えています。
 以上のように,乳加工に対する積極的な意識がうかがえます。それでは,具体的な取り組みを阻んでいる要因は何でしょうか。

4.製造・販売上の問題点は(複数回答)…
 「製造する際の問題点」として,「施設整備が困難」61%,「規制が厳しい」52%,「品質の安定管理が難しい」42%などがあげられました。「販売上の問題点」としては,「衛生管理が十分できない」47%,「販路が開拓できない」45%,「価格が高くなる」29%があげられました。

5.総合畜産センターに対する要望…
 総合畜産センターは,生産者の加工の取り組みを技術的に支援することも大きな仕事の一つです。センターに対する要望としては,「特徴ある新製品・特産品の開発」,「基本的な技術指導」がそれぞれ36%でした。また,技術指導の一環としての研修会の要望も高く,その内容は「基本的知識」55%,「製造技術」50%でした。

 今回のアンケートで,センターの乳加工部門を知らないという回答が6割もあり,センターにおける試験研究の成果や技術的ノウハウを生産者の方などに知らせる活動も重要であると痛感しています。
 総合畜産センターでは,このアンケート結果をもとに酪農の6次産業化に向けて積極的に技術的な支援を展開していきます。
 最後になりましたが,このアンケートにご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。