〔広場〕

蒜山だより

(財)中国四国酪農大学校 長尾 伸一郎

 蒜山高原でも,田植えが済み,一番草の収穫も始まり躍動的な季節が到来しました。
 酪農大学校は,35期生34名(内女性12名)の新入生を迎えました。34名の入学生は,過去20年間で,2番目の多さです。酪農経験のある者,ない者入り乱れ大変な4月,5月でしたが,学生たちも生活,実習にやっと慣れ,落ち着いています。
 私ごとですが,8年振りに,酪農大学校へ帰ってきました。ちょうど10年前には,蒜山にいましたので,その頃と比べた印象を綴ってみます。
 本校の施設整備には驚くばかりです。特に第2牧場において当時の物は,ミルキングパーラーの建物だけです。中身は勿論ロータリー式からコンピューター制御,自動離脱のタンデム式に変わっています。学生に当時と変わらないのは「牛の足の数と乳頭の数だけだ」と冗談を言っています。しかし,機械式の方が基本を学ぶには,良いのではと思うのは,私だけでしょうか。
 また,哺乳ロボットなる機械が導入されており,哺育牛の自動哺乳,自動給餌ができ,なおかつその摂取量が記録される優れ物です。さすがに,これは,珍しいらしく地元にいる卒業生も見学に来ています。
 糞尿処理に関しても,当時は未完熟の堆肥をため込み,春と秋に圃場へやっと還元するという有様でしたが,第1牧場,第2牧場とも撹拌式サークルコンポを備えた堆肥舎が整備されており,完熟堆肥の生産が可能となっています。環境問題は畜産関係者には避けて通れない問題です。そういう面では,これで,本校も最低レベルをクリアできたと思います。
 自給飼料に関しては,蒜山全体で,トウモロコシの作付けが激減したこと,リードカナリーグラスの草地が大きく増えたことに驚かされました。この草は,嗜好性がやや悪いですが,耐湿性が強く,非常に強い草です。今後,繁殖しすぎた場合には少し心配です。本校では,トウモロコシの作付け面積は,10年前よりやや増加しています。勢いを増したのは,有害帰化雑草で,本校でも,チョウセンアサガオ,イチビ,ワルナスビは,有効な除草剤もなく非常に大きな問題となっています。
 また,酪大のシンボルであったポプラ並木が哀れな姿になってしまいました。以前から台風の度に倒伏していましたが,どうもポプラには「嫌地現象」があるらしく,新しく植えた木も,うまく育ちませんでした。そこで今度は,「岡山県郷土文化財団」により白樺を1,600本植樹して頂いています。うまく,新しい蒜山のシンボルになればと期待しています。
 ここ数年,国際交流も盛んになっています。当時は,海外から来るのは乳牛だけでしたが,今年は2人が豪州から研修に来ています。また,当校から3人が2ヶ月間研修に行く予定になっています。
 以上,大きな変化が本校にも,蒜山にも起きていますが,それに対応するよう頑張っていきたいと思います。