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1.地域の概要
岡山県西南部にあって星の郷として全国的に有名な美星町は年平均気温14.1℃,瀬戸内海型の準高冷地帯であり,県内でも有数の畜産地帯である。
表に示すとおり農業粗生産額に占める畜産部門の割合は45%となっており,岡山県平均の31%を遥かに上回っている。
特にその畜産部門の中でも乳用牛,豚による粗生産額は85%であり,町内では米についで第2位,3位の主要産物となっている。
農業粗生産額
単位:千万円
総計 | 耕種計 | 畜産計 | ||||
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223 |
122 |
101 |
8 |
45 |
41 |
8 |
この美星町において未利用山林原野の有効利用,酪農家の経営移転による効率的経営体の創出,畜産環境改善と有機質肥料の有効利用,畜産物の付加価値を高めるための地域特産物化を推進するために,関係機関が一体となり,平成6年度から畜産基盤再編総合整備事業に取り組んだ。
2.《事業概要》
事業名:畜産基盤再編総合整備事業
総事業費:1,170,111,500円
主な事業内容
草地造成改良15ha
畜産施設用地整備2.67ha
畜舎整備5棟
地域活性化施設1棟
ふん尿処理施設1棟
農業機械導入1式
その中でも次の施設は当井笠地域においてもモデル的なものである。
@ ふん尿処理施設(美星町堆肥センター):美星町内の酪農家が中心となり運営組合を設立し,町内の乳牛糞,豚尿糞を引き受けている。スクープ方式により日量44.1tの処理能力を有しており,既に平成10年度から稼働。
A 地域活性化施設(美星加工センター):年間豚1,500頭処理,16tのハム・ソーセージ等の生産能力を有する最新の食肉加工工場であり,平成11年度より生産を開始。
3.おわりに
これら施設を利用した取り組みの詳細は次回に譲るとするが,美星町の町,農協,畜産農家が一体となった地域活性化戦略は行政サイドとしても大いに参考とすべきものであり,今後とも当管内の畜産振興の核の1つとして支援していく必要があろう。