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〔衛指協だより〕

岡山県の生乳の品質について

(社)岡山県家畜畜産物衛生指導協会
 検査部長 重近 文男 

 本格的な国際化時代の到来,産地間競争の激化など諸情勢が大きく変化し,酪農界への影響は計り知れないものがあります。
 また,消費者を取りまく経済・社会的環境の変化に伴い食生活の多様化が進むなかで,消費者の安全・安心・健康への関心は益々高まりを見せており,今後本県酪農の健全な発展を持続するためには消費者ニーズに的確に対応する必要があります。
 こうした中,岡山県内で生産された生乳の成分的品質および衛生的品質は,生産者をはじめ関係機関・団体の懸命の努力により急速に改善され,全国でも上位の乳質になっております。
 今回,当協会が実施しております生乳格付検査および生乳細菌検査の平成10年度の成績についてその概要をお知らせします。

1.生乳格付検査(成分的乳質)

 県内産生乳の品質改善と公正な取引きを推進するために県から委譲を受け,昭和60年4月から成分検査(脂肪率・蛋白率・乳糖率・無脂固形分率・全固形分率)をミルコスキャンで実施しております。

 (1) 検査乳量
   平成10年度の検査総乳量は,150,146トンで前年度の159,625トンに対し94.1%でありました。ちなみに,平成5年対比では87.1%でした。(図−1)

(2) 脂肪率
   平成10年度の年平均値は3.90%で,前年度の3.88%に対し,0.02%高くなっております。年間最高値は1月の4.06%,最低は6・7月の3.77%であり,月別変動では5〜8月が低く,11〜3月が高く推移しています。(図−2)
   なお,脂肪率の度数分布を前年対比で見ると(図−3)のとおりです。

(3) 蛋白率
   年平均値は3.24%で前年度の3.23%に対し0.01%高くなっております。年間最高値は12月の3.34%,最低値は8月の3.13%,月別変動では7〜8月が低く,12月〜3月にかけて高く推移しています。(図−4)
   なお,蛋白率の度数分布を前年対比で見ると(図−5)のとおりです。

(4) 乳糖率
   平成10年度の年平均値4.43%で前年度の4.42%に対し0.01%高くなっております。年間最高値は5月の4.47%,最低は12月の4.41%,月別変動では4〜9月が高く,11〜1月にかけて低い傾向にあります。(図−6)
   なお,乳糖率の度数分布を前年対比で見ると(図−7)のとおりです。

(5) 無脂乳固形分率
   平成10年度の年平均値は8.67%で,前年度の8.65%に対し0.02%高くなっております。年間最高値は2月の8.76%,最低は8月の8.57%であります。月別変動では7〜8月が低く,11〜2月にかけて高く推移しています(図−8)。なお,無脂固形分率の度数分布を前年対比で見ると(図−9)のとおりです。

(6) 全固形分率
   平成10年度の年平均値は12.57%で前年度の12.53%に対し0.04%高くなっております。年間最高値は1・2月の12.81%,最低は7・8月の12.36%でありました。月別変動では7〜8月が低く,12〜2月が高い傾向にあります。(図−10)
  なお,全固形分率の度数分布を前年対比で見ると(図−11)のとおりです。
  以上のように各成分とも品質の向上が見られ他県の成績と比較しても上位に入る好成績になっております。

2.生乳細菌検査(衛生的乳質)

  県酪連からの委託を受けて酪農家のバルククーラーを単位に試料を採取し,ブリード法(直接個体検査法)により月2回検査しております。
 (1) 検査検体数
   平成10年度の検体数は17,596検体で前年度に比べ1,531検体減少し,対前年比92.0%でありました。原因は酪農家の廃業によるものと考えられます。
 (2) 検査成績
   細菌数の適合乳率(1_g中の細菌数30万個以下)は,前年度98.6%だったものが平成10年度は99.1%となる好成績となりました。(図−12)
   また,細菌数31〜100万個の区では1.4〜0.9%へと向上が見られ,101万個以上の区は皆無でありました。
   将来,適合乳率100%に達する日も夢ではないと思われます。

  以上,平成10年度の検査成績の概要についてお知らせしましたが,今後,各関係者のご精進・ご協力をお願いいたしますと共に私どもも細心の注意を払いながら業務に取り組んでまいりますのでよろしくお願いします。