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牛群検定情報を活かして酪農を10倍楽しもうB
“牛群検定情報には宝が一杯”

(社)家畜改良事業団 家畜改良アドバイザー 永井 仁

‘検定成績表で何が分かるか’
 一寸間が空いたので,空気が抜けたようで申しわけないが,平成10年11・12合併号のP12の見本を見ながら,検定成績表の説明を続けたい。
 前回は見本の中の番号@〜Aの検定を受ける上での基本的なことを説明した。
 検定農家で,成績表を見て貰えない理由を聞くと「数字が一杯で,何から見たら良いか分からない」と言う答えが多い。
 前にも述べたように,ものを言わないと思っていた乳牛が賢くなって,「宇宙飛行士と同じ様に,数字で訴えている」と考えを前向きにして見て貰ったら面白くなる。

‘何処にどんな情報があるか?’
 見本を上から,
 Bは「検定日管理情報」,主として,検定日に分かる情報をそのまま平均したもの。
 Cは「年間管理情報」,主として検定日より過去1ヵ年の繁殖に関する情報。
 D〜E〜Jは「牛群の成績」で,能力の改良と,経営に関する情報で2段になっており,
 上段は検定日,
 下段は過去1ヵ年の情報を纏めて平均した成績。
 4段目の「個体の成績」は,マスター登録された全検定牛の個体ごとの成績で,全ての情報の基礎。

‘個体の成績は検定情報の基礎’
 「個体の成績」の中のF〜G〜Hを見よう。
 それぞれの項目の最初の列は全て乳量で,良く分かるように,やや黒色をしている。
 Fから見よう。
 これは「今回検定日の記録」で2段ある。
 上が検定日の乳量,下が前月との差。
 この検定日の合計乳量を平均した数字が,「牛群の成績」Dの上段「検定日」の搾乳牛1日1頭当り乳量22.4sに。
 下段の+,−は「前月との差」=従って泌乳初期の−は良くない。
 次の3列は乳成分で,
 F%,P%,SNF%の順に並んでおり,乳量と同じようにDのそれぞれの欄に,平均が記録されている。
 次の3列は,これも2段になっており,
 上段は濃厚飼料給与量,体重,体細胞数で,
 濃厚飼料給与量はDの「1日1頭当り乳量」欄に平均で,
 体重はBの「検定日管理情報」欄の「体重」に平均が載せられているが,
 体細胞は個体の情報だけで平均は無い。
 下段は飼料の要求量が記されているが省略する。
 なおDの下段は「過去1ヵ年の成績」で,過去1ヵ年を平均で,検定日と同じ項目。
 Gは累計の個体毎に,分娩日から⇒今回検定日迄の情報で,
 最初の列は上段が累計の乳量,
 下段は個体毎の累計日数=この個体毎の日数を合計して平均した数字が,
 Bの欄の最初の「平均搾乳日数」として記載されている。
 乳量の次の列は搾乳回数。
 3列目から同じように乳成分の平均。
 6列目は,
 上が乳飼比,下は飼料効果。
 最後の列は,
 上が個体毎の「乳代−濃厚飼料費」で単位は千円で,累計の粗利益が分かる。
 下は累計の濃厚飼料給与量。
 Hは上が,個体毎の「305日実量,又は期待乳量(予想乳量)」。
 下は「補正乳量」。
 「補正乳量」は登録牛で生年月日が報告されており,累計日数が45日以上で,
 その間に2回以上検定していると打ち出される。
 「補正乳量」は個体毎に月齢と,分娩季節を補正してあるので,
 個体の能力の比較と,改良の成果を知る上で重要な情報。
 なお「補正乳量」の平均は,
 E「1頭当り成績」の上段に,
 「補正乳量の平均」が載せられている。
 Eの下段は「経産牛1頭当り乳量」でその牛群の実際の能力。
 過去1ヵ年の総乳量÷過去1ヵ年の経産牛の頭数≠。(≠頭数の端数計算のため完全に=でない場合もある)
 Iは「個体管理情報」で,
 個体毎に繁殖に関する記録で,
 それを平均したものが,
 Bの「空胎日数別頭数」と,
 Cの「年間管理情報」に平均にして記載してある。

‘アクセント付けて見る’
 検定成績表はこのまま見て欲しいが,
 数字ばかり並んでいるので,分かりにくいと思われる方はアクセント=区分して見たらどうだろう。
 他の情報を含めて検定情報は,検定農家の重要な個人財産なので,
 どのように見ても勝手だが,
 私は繁殖,能力の改良,経営の3つの項目に分けて見ているので,それによって説明して見よう。 

(1) 繁   殖
  順調に受胎してくれて,良い雌子牛を生んでくれたら牛舎に入るのが楽しくなる。
   この情報は,主に見本のB〜C〜Iに載せてある。
(2) 能力の改良
   搾乳牛1日1頭当り乳量が,毎年少しづつでも安定して伸びると,酪農はさらに楽しくなる。
   この情報は,見本のD〜Eに記録されている。
(3) 経   営
   同じ年代のサラリーマン以上に,毎年給料が上がるともっと嬉しくなる。  

 この情報は間接的ではあるが,主にJに記されている。
 今回はそれぞれ記録されている場所を説明したが,次回から具体的な見方と活かし方を説明したい。