ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和24年11月

家畜商法の解釈

 我国に於ては古くから家畜の取引については仲立業者が媒介として袖裏取引が行われ今尚続けられているが、近代資本主義の原則である等価交換が望ましいのであって,ややもすれば不良なる媒介者のために思わぬ損失をまねくことがあるのは今後の畜産の発展の為に改善していかなければならないと考える。この様な点に於ても将来家畜取引の媒介者である家畜商にその健全な商活動が期待されるのであって,これが本法の実施される所以である。
 家畜商については,昭和22年12月家畜商取締規則が廃止され,以後家畜商は自由営業となっていたが,9月7日新しく家畜商法が交付され再び免許制度となった。今回免許証は全国通用であるので,従来の様な家畜商の免許制或は自由といった不斉一の機構が一掃された訳である。

 次に其の内容を見ると

1.家畜の取引を営業とする者は全部免許を受けなければならないことは従来の家畜商取締規則と少しも変りはないが,試験により合格免許といったものでなく家畜商法第4条の缺格要件に該当しないものは,申請によって全部免許される点は,従来と違うところであって殆んで自由営業と大差ないことになったのである。

2.この法律によって免許を受けなければならない者は,家畜の売買交換,斡旋を,利得する目的で営業する者で,例えば農業協同組合はその第6条により営利を目的としていない点で免許を受ける必要はない。尚一般農民生産者は売買交換してもそれが継続的反復的の営業行為でないから免許を受ける必要はないことになる。

3.家畜商が取引を代行させる使用人(商業使用人)を雇用するときは,従来と異なり夫々複数に雇主名義の免許証を交付することになって居るので,これも従来と変った点であるが,此の場合使用人の本法違反の事実があれば雇主も其の責任は免れることは出来ないのである。

4.免許証の有効期間については別に定めていないが,5年後は書換を申請しなければならないことになっているから,一応免許証の有効期間は5年と考えられる。

5.免許手数料は1,000円以内であって県規則で夫々定めてある。

  一時廃止された家畜取締規則が再度家畜法として実施されたが,これはあくまで家畜商を営業する者に該当するのであって生産或は農家が営利の目的でなく,非継続的に売買するのは該当しないのである。そこで家畜商でなければ家畜の売買交渉が出来ないという様な行きすぎの解釈を起さない様にされると共に,生産者及農家は家畜の取引については,年令,種類,住所,用途,損傷等から価格の決定について充分研究し,家畜取引も農業経済の一端として関心を持つことが望しいのである。