ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和24年11月

一閃(飼料配給事情と本県に於ける配給実績)

萬輪田里生

△天高く馬肥える秋の心持ちよい時である。このよい時期の吉日を選んで吾等の「畜産だより」は誕生した。畜産施策を県の隅々迄徹底させ県民の方々によく知っていただき県民一丸となって畜産岡山の進展に寄与しようとするのが本誌の使命である。本誌がよく伝書鳩の役目を果して所期の目的が達成せられることを念願してやまない。

△飼料公団も近く廃止されるらしい。公団は廃止されても飼料の統制は継続されるので,目下安本,畜産局を中心にその機構を如何にするか,鋭意協議中の模様である。

△振返って見ると一昔前昭和15年3月飼料の統制が開始されてから今日迄馬鹿の一覚えの例の如く飼料の配給事務に従事してきたが飼料配給会社,飼料共販会社それから今の飼料公団と改変せられその配給方法,末端機構もその度に変更されてきた。そして地方においてその仕事に携わるものは毎年々々機構整備に追い立てられて今日に至りほんとに安定した簡易で迅速適格な配給機構が確立されたことはなかった。

△昨年から所謂公団方式の配給制度が開始され飼料公団が設立されたがこの配給制度がまだ充分に板についたといえない今日廃止の運命に遭遇し又しても新機構を作るの止むなきに到らんとしている。

△再三に亘る機構の改変程飼料の配給を不円滑に陥れるものはない。殊に飼料は本県にでもその生産工場は数百に上り単位が極めて小さいので尚更然りである。

△現在迄の配給機構を考えて見るとほんとに畜産増殖の基盤となる畜産農家を中心に考えた配給機構が確立されたことがなかった。何時も生産工場,中間取扱機関の利益便利を中心に考えられた様な気がする。従って消費者は朝に夕に飼料入手の方法が変りその迷惑は大なるものがあり,このために畜産増殖に相当の障害となっていることはいなめない事実と思う。

△飼料公団廃止後の機構整備についてはこれらの点をよく研究して消費者のための機構をつくっていただきたいものと思う。各ブロックの地方庁,生産工場,消費者代表その他第一線において業務に従事している者の貴重な体験を基礎にした意見を充分に反映させた最善の制度を作っていただきたいことを中央当局に衷心から希望する次第である。