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緬羊飼育経済は蕃殖成績の良否如何によって左右せられるのであって飼育者はこの点大いに研究と注意を要するのである。
県下の緬羊飼育者の為に簡単に要事項を概説しよう。
牝緬羊 自7ヶ月−18ヶ月
至8 − 9才
牡緬羊 自6ヶ月−10ヶ月
至8 − 9才
当才種付は往々牝緬羊の発育を阻害し,悪影響を与えるから当才の種付は出来得るだけ行わない様にすること。
イ.牡緬羊
種付期間中は相当の精力を消耗するから種付開始1ヶ月前より所謂強精飼料を与えてやる。又種付期間中も同じ。
ロ.牝緬羊
種付時期に牝緬羊が栄養不良であれば発情も来ないし,たとえ妊娠した場合でも中途で流産したり虚弱な仔緬羊が生まれたりするから良質の粗飼料を与える外,特に滋養豊富な濃厚飼料殊に品質のよい穀類を幾分増量して発情を促す。
交配に供する緬羊は牝,牡,別々に分けて飼育するのがよい。年中同房に混飼すると何時交尾が行われたか判らないし,又分娩月日も判明しない事から折角分娩した仔羊をつい知らぬ間に殺してしまう様な事があるから特に注意をされたい。
種付の時期は地方によって多少の相違はあるが,気候,土質,其の他の条件によるが,大体9月末頃から11月末頃迄が種付最適期とされる。
緬羊の在胎日数は平均150日であるのでこの頃種付をすると翌年の2月中旬から4月下旬にかけて分娩することになるので仔緬羊は青草も次第に芽を伸ばす時期に生まれてその育成上から言っても又母緬羊の疲労回復のためにも好都合であるので必ず本時期に種付とすること。
発情したときは食欲が少々減り陰部が充血して少し腫れ粘液を分泌する。又不安になったり牡緬羊を慕う様な特有な鳴声種々の徴候を示すものであるが,之等の徴候は他の家畜ほど顕著でないので管理者は余程注意して観察しないと見逃すことがある。確実に発情の有無を見るには牝緬羊の中に種牡緬羊試情羊を入れ種牡緬羊をして見出させるのが最も確実である。
発情周期と持続時間[括弧内は範囲]
発情周期 17日(16−18日)
持続時間 33時間(20−40時間)
1回の種付で受胎した牝緬羊はその後発情することは殆どないが,不受胎のものは第1回の種付から大体16,7日目位に周期的に発情するものであるから,一度種付をしたものでも此の頃には再び牡緬羊に近づけて再発情を確めることが必要である。第2回の種付で受胎しないものは更に第3回の発情を検して種付を繰返すべきである。
種付成績を良好にするためには必ず共同種付所を利用することが最も望ましい方法である。これは種付期間中各飼育農家から発情周期の牝緬羊を1ヶ所に集めて飼育しつつその発情状態を見て種牡緬羊を入れ交尾させ,交尾の終った牝緬羊には印をつけて群より分ける。
牡当配合牝頭数
共同種付をする場合には種牝緬羊の交配頭数は種牝緬羊の年令栄養状態等により異なるが通常1日,3−4頭位で1期間中には20−30頭とするがよい。
種付月日 | 分娩予定日 | 種付月日 | 分娩予定日 | 種付月日 | 分娩予定日 | 種付月日 | 分娩予定日 |
1月1日 | 5月30日 | 4月9日 | 9月5日 | 7月16日 | 12月12日 | 10月22日 | 3月20日 |
〃 8日 | 6月6日 | 〃 16日 | 〃 12日 | 〃 23日 | 〃 19日 | 〃 29日 | 〃 27日 |
〃 15日 | 〃 13日 | 〃 23日 | 〃 19日 | 〃 30日 | 〃 26日 | 11月5日 | 4月3日 |
〃 22日 | 〃 20日 | 〃 30日 | 〃 26日 | 8月6日 | 1月2日 | 〃 12日 | 〃 10日 |
〃 29日 | 〃 27日 | 5月7日 | 10月3日 | 〃 13日 | 〃 9日 | 〃 19日 | 〃 17日 |
2月5日 | 7月4日 | 〃 14日 | 〃 10日 | 〃 20日 | 〃 16日 | 〃 26日 | 〃 24日 |
〃 12日 | 〃 11日 | 〃 21日 | 〃 17日 | 〃 27日 | 〃 23日 | 12月3日 | 5月1日 |
〃 19日 | 〃 18日 | 〃 28日 | 〃 24日 | 9月3日 | 〃 30日 | 〃 10日 | 〃 8日 |
〃 26日 | 〃 25日 | 6月4日 | 〃 31日 | 〃 10日 | 6月2日 | 〃 17日 | 〃 15日 |
3月5日 | 8月1日 | 〃 11日 | 11月7日 | 〃 17日 | 〃 13日 | 〃 24日 | 〃 22日 |
〃 12日 | 〃 8日 | 〃 18日 | 〃 14日 | 〃 24日 | 〃 20日 | 〃 31日 | 〃 29日 |
〃 19日 | 〃 15日 | 〃 25日 | 〃 21日 | 10月1日 | 〃 27日 |