ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和24年11月

岡山競馬だより

はなお生 

 爽涼な秋の訪れと共に,馬蹄がひびく待望の競馬シーズンが訪れた。
 さて,岡山競馬は9月18日から開催予定をもって,競馬場の改築修繕その他諸準備をすすめていたところ,突如福山競馬場の新設の報に接した。しかも,岡山と同一期日をもって第1回市営競馬を開催することを発表した。そうして,200万円の賞金をだし華やかな幕を開くべく打って出られたので,これに敗衂したのではないが先手を打ち,開催期日を繰り上げ,今シーズン劈頭の9月4日より原尾島原頭に岡山競馬の序幕を切ったわけである。
 9月1日の馬体検査では200余頭,その中新馬50頭を審査したが,速歩馬でファーロングタイム(俗にハロンタイム)以上かかるものは調教不充分の故をもって敢えなく振い落され,総出場頭数は175頭となった。
 競馬の成績は各県より優秀馬の多数出場,競馬ファンの入場人員等にも関係するが他面天候が又かなり大きく左右するので,期間中晴天であれかしと祈っていた。前半の4,5,6日は幸いに好天に恵まれ初秋の日ざしも強く,人馬一体砂塵を蹴っての激戦が展開された。特に初日の人出に従来にない程の入場者であったが,後事の追込戦となってから案じていた空模様が険悪となり,土,日のかき入れ日が天候不良に禍され,日曜日は雨のため,止むなく中止せねばならなかった。空を仰いで100万円の損失を嘆息した。成績不振に雨が祟り所謂泣き面に蜂といった形。然しながら開催期間中を通じ幸いに各関係者の協力によって何等事故なく,明朗な競馬の終幕をとじる事の出来た事は何物にもかえ難い大きな収穫であった,紙上をかりて厚く関係の皆様に御礼を申し上げる。
 今回の成績の概要を参考までに下に掲げる。

1 岡山県知事賞騎歩競走(天候晴馬場良)

第3日(9月6日) 第8競走 距離 1,800

着順 馬    名 騎手 負担重量 年令 所有者氏名 着差タイム ハロンタイム
1着 モモタロウ 福島 65 7 高森 林造 2分6秒 14
2〃 ビッチュウフジヒメ 東森 57 7 東森 輝男 2馬身 14.2
3〃 ライス 片岡 59 5 岡崎 強一 9馬身 14.21
4〃 ハクタカ 三島 60 6 岩瀬 正之 4.21
5〃 アラマサ 美馬 55   8 三宅 是夫 50m 14.6

2 岡山市長賞駈歩競走(天候晴馬場良)

第4日(9月9日) 第5競走

着順 馬  名 騎手 負担重量 年令 所有者氏名 着差タイム ハロンタイム
1着 ライス 片岡 62 5 岡崎 強一 1分53秒1/5 14.12
2〃 タイヨウ 福島 60 7 水島初太郎 6馬身 14.25
3〃 セイカイ 彌久米 56 6 松尾 文雄 30m 14.53
4〃 アカイヒット 三島 55 5 服部 俊雄 1馬身 14.54
5〃 シンプク 美馬 56 5 藤原 正男 9馬身 14.75

3.第6日 第10競走優勝駈歩 1,600m

着順 馬    名 騎手 負担重量 年令 所有者氏名 着差タイム ハロンタイム
1着 タマリョウ 渡邊 57 6 竹野 武夫 1分55秒 14.4
2〃 イツミマツカゼ 三木 63 6 河内  清 5馬身 14.5
3〃 ゲキハ 世良 61 ? 9 森川 和一 1/2 14.52
4〃 ニシカゼ 片岡 57 5 武鎗 當三 14.53
5〃 ミストップ 石井 57 10 石井千代吉 4馬身 14.6

4.第6日 第9競走優勝速歩 2,800m

着順 馬    名 騎手 負担重量 加増距離 年令 所有者氏名 着差タイム ハロンタイム
1着 セイテン 長塩 62 100   4 長塩  壮 5分45秒 23.8
2〃 ダイヤモンド 湯浅 67 50   8 枝松 佐一 1・1/2 24.2
3〃 スモールジャック 小川 67 210   9 小柳 興吉 50m 23.3
4〃 オカヤマヒノデ 岡本 67 0   5 小山 實一 3m 25.2
5〃 ヤマアラシ 小松原 64 150 5 小松原光男 9m 24