ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和24年12月

第5回岡山県畜産共進会を終って

 恒例の催しである第5回岡山県畜産共進会は比較的好天候に恵まれ10月8日−10月12日迄5日間上房郡高梁町に於いて華々しく開催された。本年春岡山市に於いて産業文化大博覧会の会期中第4回岡山県畜産共進会が開催せられ,年2回に亘る開催は無理であったが,県下の愛畜家の盛り上る熱意により強行されたものであった。
 会場は家畜市場既設の建物で少々狭隘な感はあったが,地元大河寅蔵氏の好意で設備も整備され,又道路の一部を通行禁止までして審査場に供用された。
 出品家畜は第1部和牛123点,第2部乳牛13点,第3部緬羊10点,第4部山羊7点,第5部豚8点で,何れも県下の精粋を蒐め畜産岡山の威容を宣揚した。
 殊に今回は岡山県畜産販売農業協同組合連合会と岡山県畜産親興会との共催であり,従来の共進会と異った点は,和牛に於いて審査標準に基き各部位に亘り採点審査を実施したことと,他の一つは出品家畜の成績を各郡別に得点で覇を競ったことである。
 審査長は畜産課長押野芳夫氏,審査員の構成メンバーは県畜産課,種畜場,県畜産連合会の技術員及び民間側より数名がこれに当った。
 審査は総べて審査標準により現状主義で実施された。
 細部に亘り所感を述ぶれば,和牛の牝だけは20ヶ月以上と未満とに区分し審査した。一般に出品点数の多いせいもあったが,やや不揃いの感がないでもなかった様に思う。飼養管理は一般に良く,発育は本県の和牛としては良好であった。品位は良好であり体幅殊に中躯の状態は改良の実績が目立っていた。然し,肢蹄乳徴及び被毛皮膚等は将来改善を要する様思われた。採点制の実施については共進会審査としては若干の無理があり,上位入賞の一部を参考として付点したに過ぎなかった。その結果牡に於いては最高81.57点となり,牝では生後20ヶ月未満最高81.03点,20ヶ月以上では最高81.06点であった。
 乳牛は一般に出品点数が少なかったけれども,全般的に質は向上し特に若いものに優良なるものが多かった様に思う。肢蹄,資質,乳器は一般に良く,体幅,体深,後躯等は将来改善する必要があろう。
 緬羊は品質向上し,飼養管理,毛の状態は良かったが,過肥のもの,四肢の弱いものがあった様に思う。
 山羊は一般に泌乳能力は向上し資質も良好であったが,将来体積後躯及び泌乳能力等も更に一層改善の要があると思われる。
 豚は飼養管理,資質は向上しているが,中には体型上種豚でなく寧ろ肉豚と認められる様なものもあり血統不明のものもあった。
 上の様な欠点はあったけれ共,いわゆる駄畜に類するものも認められず,本共進会の開催の意義を遺憾なく発揮し得たことは慶ばしい。以上審査の結果,全出品家畜が授賞した。
 各郡の成績は全出品家畜に付いて得点した結果,上房郡が首位となった。
 本共進会の成績に鑑み,採長補短益々改良に努力し,農業経営に適応した優秀なる家畜の作出することを望む。
 殊に明年度に於いては鳥取県に於いて中国7府県連合畜産共進会が開催致される予定であるたので,本県の名誉にかけても今より準備し,優秀な家畜の造成に拍車をかけて行きたいと思う。(渡邊記)