ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和24年12月

【人事異動】

県畜産課の大移動

●押野畜産課長 此度山形県畜産課長に転任,
 あの巨躯と,ごま塩の硬髪,そして時折の怒声と豪けつ笑いは,県庁内でも確かに異彩を放っていた。
 然し,からだにも似つかぬ細心なところ,人情味を漂わすあたり,又折にふれての脱線振りは,何時までもエピソードとして語り草になるだろう。
 仕事の面は極めて熱心で,その業績は大きい。中でも多年の懸案だった岡山種畜場移転の遂行,種牡牛政策の予算化,行政組織の系統化強行等は特に目立つものであろう。こうした点では一般の事勿れ主義,八方美人タイプの人では到底なし遂げられないところだろう。
 又一面政治的というか唯単に県下のみの行政に止らず,中国地方はおろか中央地方の畜産界に広く異色ある存在として声望を担っていた。
 氏の此度の転任は惜しまれるが,出身地の郷里であり,同氏の自発的意志に基いている所から,そろそろ里心がついたんだろうと取沙汰されている。

●新任畜産課長 惣津律士氏は小田郡陶山村出身で,九州帝大農学部卒業である。
 元来緬羊畑が専門で,本省畜産課より現場を歩き,前任地は北海の月寒の種畜牧場長であった。温厚な人柄ではあるが,一面信念の強いところがあり従来評判は極めて良い。
 地方庁といっても全国一流の岡山県の畜産課長としては全く適任の呼声があり,新しい構想のもとにその活躍振りが期待されている。

●馬渡技師は津山畜産農場長に転出
 課内外に『まーさん』の通称で親しまれ,その温厚篤実な人柄は前押野課長と対照的で好一対。畜産課在職6年有余,その間飼料有畜農業の面中,小動物関係で県下を不動の態勢に基礎づけられた業績は絶大なものがある。
 此度の津山の場長へと現場への転出は一般の予想を裏切った様だが,これは同氏の希望でもあったとの由。
 多年の技術行政の経験を有畜営農の実際面に如何に裏づけられてゆくか御健闘振りが期待されている。

●藤井津山畜産農場長は岡山種畜場長へ転任
 県下畜産関係職員の中でも最長老組といいたいが,その風手といい,時代感覚といい,又そのエネルギー等々,若い者を凌ぐ活動振りは等しく認めるところである。
 明朗闊達な性格と敏腕振りは,衆望を担って津山の場の建設に遺憾無く発揮せられ,再び大事業たる岡山の種畜場建設の大任を担当される。
 作北の和牛に親しまれた同氏も,南部の多角的な畜産界に機軸をもたらして行かれよう。

●蔵知岡山種畜場長の畜産課主任技師へ
 洗練された紳士でもあり企画性の優れた才能がある同氏は,種畜場移転の繁雑な仕事に全精力を傾け,その苦心の甲斐あって一応準備完了の域に迄至り,今度の移動で藤井技師に交替された。将来性のある同氏が技術と行政への連結面へ,そして一面新課長補佐役として縦横の奮闘が期待されている。

●日室技師は飼料係長へ
 さっぱりした快男子,その元気と地声の為に『小がみなり』の異名(因みに『大がみなり』は前押野課長のニックネーム)をとっているところに同氏の面目躍如たるものがある。お手のものの飼料行政には最適任,快刀乱麻の形容はちょっと剣呑な感かもしれないが,危げの無い快速調の仕事振りはけだし畜産課の重鎮というところだろう。