ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年1月

家畜防疫のあれこれ

おおた

△牛の「トリコモナス」症

 このやっかいな病気は一時終息したかのように思われて居たが今ではかなり広がって居るように思われる。今年中で最も甚しかった例は阿哲郡野馳村で全蕃殖可能牝牛400頭中53頭が罹病し3頭の種牛が廃用となった。こんなことでは畜産の振興どころではないが県では直ちに防疫班を派遣し村,郡畜連と一致協力して防辺につとめる一方人工授精を併行実施した結果今では無病地帯となり,生産にも相当の期待がもてるようになった。牛の「トリコモナス」は結局人工授精をもって退治しなければならないと思う。

△雛白痢

 約8万羽の種鶏について短期間に検査を行った関係で仲々大変仕事だった。夕方4時になればそろそろ暗くなりかけ,判定が困難になるが中止をすれば次の種鶏場に御迷惑をかけることになりその苦労は一通りではなかった。このようなことで若干日程その他でご迷惑をかけた場もあるやと思うが何卒悪しからず。
 然し今の処では7万羽は突破し保菌率も1.9%位で,検査の回数を重ねるにつれて保菌率の低下は喜ばしいことと思う。

△牛の「ブルセラ」症

 今まで1,054頭検査し17頭が陽性であった。この病気の撲滅方法による外県でも或種の対策を考慮中であるがなお一層の御協力をお願いします。

△牛の結核

 今年陽性と診定された牛は12月10日までに殺処分することになって居りますが次の定期検査は1月10日より全県下に亘り実施されるから日程その他については各関係へ照合せられ漏れなく受検せられたい。この病の撲滅にはより一層の協力を得なければなりません。

△馬の流行性脳炎

 今年は早期に予防注射を行ったことと,畜舎を対照にDDT油剤の散布を行ったのでその発生はなかった,然し本県で日本脳炎は前年と同数位発生し本場の岡山県のことがあるから来年度も早期の予防注射を行う予定である。
 なお県外移出馬及び競走馬は必ず予防注射を受けなければならない。

△馬の伝染性貧血

 9月に農林省田中技官の御骨折で石井博士を講師とし和気郡で講習会を行った。この病は本県では余り知られていないようであるが馬の交流が夥しくなってから本県内にも入って来たようである。勿論県外移出の検査されるが競走馬は必ず行えます。証明書の有効期間は6ヶ月である。

△牛の流行性感冒

 「ラジオ」新聞等でよく御承知のことと思うが現在は一応落着いたようで,これの予防措置として県規則が出て居るから所有者,管理者は,この病気に牛が罹ったとき又罹ったと思われるときは最寄の家畜防疫委員(県庁地方事務所,畜連等)に届けて種々の指示を受けて下さい。最近人の流行性感冒が相当出て居るようであるが衛生部の説明では牛の流感のあと人が罹ることが常であるとか?馬の流脳,牛の流感,共に公衆衛生から見ても緩せには出来ないことである。

△豚の伝染病

 今年は豚コレラで相当心配されたことと思うが,一応下火となったようである。が油断は禁物殊に県境の方々は充分気を付けられたい。予防液は常に県で確保して居ります。
 その他豚丹毒,豚疫等がありますからよく連絡をとって未然に防止しましょう。

△牛疫

 日本をとりまく国々に牛疫が流行して居ります。この病は反芻動物におこる急性の熱病では伝播は速く又死亡率に高い病気で万一これが浸入すればほとんどの牛が斃死することになります。他府県から購入される場合は健康証明書が必ずある理ですが一般の御留意が必要です。なお海岸地帯では出荷先の明かでないものについて充分注意して下さい。