ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年1月

かね

◇めでたくもありめでたくもないのが本年の世相のようだ。とかく不景気になると何事にも角がたつ。殊更目に角がたち口がとがるのが多いのは世のならいである。
 権利を主張するは良いとしても義務の履行を忘れての言い分が幅を利かしては大儀名分が泣く。自らじっくりと反省して守るべきことを守って攻めるに急なることとして頂こう。
◇やかましくがなり上げ力強く押しまくれば一応要求が通るものだと言った意識がどうも社会的な通念となってきたようだ。一時の労働攻勢が教えてくれた時代の産物であろう。ところが一方受ける立場も鳴物入りの申入れがなければ手を差しのべないと言う気配もある。こうした時代だ。安易さを去って誠意をもって手を伸ばしていこう。
◇農業改策に助成的な施策が削減されてきた。所詮は1人立ちしなければならない宿命をもっていたものと覚悟しなければなるまい。
 他力本願とか依存心は切り捨ててかからう「這えば立て立てば歩め」の親心みたいなことになったと覚悟あれ。
 議会あっても政治なく政党あっても人なし」とは誰の言か!