ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年2月

牛の県外移出の現況

瀬島技師

 全国に産牛の名声高い岡山県が全国的に送り出している牛はどの位であろうか過去1ヶ年間に於ける確実なる数字によって見ると各郡によって色々な特徴はあると思うが特殊な市場関係の移出を除いては其の郡に於ける過去及び現在の成績が時代に適応した売行を示しているのではなかろうか。農村経済の大きな要素として牛の畜力利用と肥料と今一つ生産犢が非常に大きな収入源となっているが現代の農産物供出時代に於ては特にその支配力の大きな事は充分御承知の事と思う,昨年より本年8月までの犢移出数は県下で6,813頭であるが最近に至って農家現金収入の唯一の途たるこの産牛の成績が受胎率低下によって著しく下ったということが現下各地に於て叫ばれる様になった事は折角増加しつつある畜牛の前途に暗影をなげかけるものである。
 其の生産低下の原因は主として「トリコモナス」病の再発生によるものであるが各飼育者の蕃殖知識に対する下認識も大きな原因と思われる「トリコモナス」については自衛的防疫を実施すると共にこれらの伝染病予防と速なる改良と確実なる受精と種牡牛の節約とを併せた人工授精法を採用して生産率の同じに拍車をかけると共に広く県外に移出し更らに岡山牛の名声を博する事を切望する。

自 昭和23年10月
至 同24年9月
1ヶ年間移出成績(牛)