ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年3月

家畜衛生保健所法の制定の説明

瀬島生

 畜産増殖計画を円滑に遂行しその目的を達成するためには各種の施策が必要であるが中でも繁殖率の向上と損耗の防止の両面から家畜衛生に学理と技術を総合的に実施し人工授精の応用による優良種牡畜の効果的利用は緊急を要するものであって之が実施機関として政府に於ては昭和23年度より5ヶ年計画で全国に500ヶ所の家畜保健衛生所が設置される事となり県下に於ても24年度までに既に浅口郡鴨方町,川上郡宇治村,上房郡豊野村,阿哲郡草間村,真庭郡八束村,苫田郡加茂町の6ヶ所に設置されて大いに活用されているのであるが政府に於ては此の保健所の運営の重大性にかんがみ強力なる地方行政機関の一つとして畜産の開発に努めるために「家畜保健衛生所法」を制定し既に参議院,衆議院を通過来る4年1日より施行される事となったのである。
 家畜保健所の実施主体は地方庁であるが各種畜産関係官公所,畜産団体と密接なる連絡協議によって地方に於ける家畜衛生増殖業務の推進中核となるものであってこれが事業内容を挙げれば家畜の種類生産育成,使役その他地方の実情によって自主的に家畜保健衛生の向上及び増進を図るために主として左記の事項を行うのである。

1 家畜衛生に関する思想の普及及び向上に関する事項
2 家畜の伝染病予防に関する事項
3 家畜の繁殖障害の除去及び人工授精の実施に関する事項
4 その他保健衛生に必要な試験及び検査地方的特殊疾病の調査家畜衛生向上に関する事項

 以上主として行う事項であるが細部については省令にてきめられるのである。又その事業についても設置場所によりその主業務は種々変化する事と思う。然し何れにしても衛生保健所法が根本をなすものであってこの法の目的に向って積極的に推進してこそ速なる畜産開発の一部門が開けて行くのではなかろうか。