ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年3月

顧照脚下(4)

杜陵

○鶏も春の季節になれば産みの悪いものでも10や20の卵は産むものである。産みの悪い時に産ませるのが飼養管理の技術である。今産んでいるのは自分が産ませているのか,鶏が産んでくれているのか判断のつかない様な鶏飼いが多くなってはせっかくの自給養鶏も何の役にも立ないことになる素人療治あやまちの源とか,10羽養鶏をやる人が多くなったが自己流は基礎が出来ての上の流儀として,一応は基礎知識だけは頭に入れての鶏飼いになって貰いたいものである。

○孵卵季節になると何処の馬の骨か鶏の骨か判らないような雄鶏を持って来て交配させているのを相当見受けるのである。遺伝学を一寸でも知った人ならばこれがどんな結果を生むかは余りに知れ過ぎて一寸こわくて手が出せないのが普通である。そんなことが行われているかも知らないで鶏を買って一生懸命に育てている人こそいい迷惑な話である。
 でも世間は広いが?

○牛の卵巣からは牝,牡の卵が交互に出て来るので分娩後の第1回目の発情は分娩児の反対の性のものであるか,この班を応用すれば牝牡を自由に産ませることが出来るとのことである。鶏の産卵にこの班が応用出来れば卵に産卵日を記入して交互に分けておけば自ら雌雄が分けられることになる。雌雄鑑別師失業とならないかなあ,
 誰か研究してみる人はないか知らん。

○あひるの飼料にザリガニを繁殖させたらと言ったら農業関係者からまっぴらと断られた。繁殖力の旺盛なことは飼料面から見ればこの上もない貴重品なのであるが総合的農業経営から考えるとむつかしいものらしい。
 そんなら誘蛾燈をつけてその下であひるを飼うことはいいらしい。ついでに池の鯉でも飼えば文句なしと言って貰えるか,