ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年3月

養鶏の常識

卵と雛

鶏狂生

 最近卵価が反落し一般農家の養鶏意欲が足踏状態となり本年の初生雛の需要が減退した向があるが卵価の見通しは決して悲観的なものでなく4月初旬から寡産期にかけて漸次立直るものと思れるが一般経済界の推移に伴って独り養鶏のみが終戦後のようなインフレ景気の温室に閉じ籠ることは考えられない。反って卵価の下落(少なくとも現在では安定の方向にある)は鶏卵の需要度が増大しその社会性を高める好結果となるだろう,一方,生産費の大部分を占める飼料も最近では戦後の生産費の2−3倍に上昇し本年上半期には米糠輸入品目等を除き統制が撤廃される風評もあって今後は一般養鶏家にも容易に飼料が入手出来,庁がては価格も安定し飼料費と卵価のバランスもとれるものと思れる。
 飜って農家経済の実態は他の職層より以上に悪化し最近では預金引出借入れ等その様相は深刻となりその経営面にも不断の現金収入を目途とした換金作物(特用作物)への転換家畜の導入等への進出が顕著になって来ている。
 このような客観情勢のとき一時的現象とも言うべき卵価の反落に躊ちょする必要はない。勇敢に先ず雛を育て鶏を飼うことである。勿論勇敢とは言え自己の農業経営規模を考慮に入れてのことである。
 最近の孵卵業界の動向は雛の売行不振から投売的傾向が現れる。特に他府県より県内に流入している初生雛はその価格が減法に安いがその個体に到っては種鶏にたいする無関心から体量に乏しく種鶏検査の程が現れ育成率も極めて悪いそうである。徒らに昔からの先進県にたいする盲信とか孵化場自体の事実以上の宣伝に逃されず信用度の高い自県の孵化場から購入すべきであり初生雛良否の鑑識力を養うべきである。