ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年4・5月

牛馬税廃止について

惣津 律士

 昭和25年度予算案を審議可決した県会の幕が降りてからはや4月の中旬となった,時は休みなく歩を刻み,めまぐるしい世相を朝に夕に展開して居る。
 今議会の畜産の問題は何と言っても牛馬税の廃止が筆頭であろう,これが徴収を先ず保留せしめ,地方税改革の決定に依る更生予算樹立の際に廃止する事に決議されて居る牛馬税徴収の経過はとも角として,現状の予算面に於て考えるときに,これが廃止に依る畜産財源の減少は今後の畜産予算編成に大きい影響を与え得る可能性のある事は認めざるを得ない事実であり,特に種畜改良の根幹をなす種牡牛設置政策に対するマイナスの効果は必ずや近き将来に於て現われてくるものと思われる。
 過重なる税負担にあえぐ農家に取っては確かに朗報であろうが,農家への還元力に於いて偉大なる効果を与える牛馬税に対しては慎重に反省すべきではなかろうか,そして廃止後の種牡牛対策其他について畜産人が充分に想を練り対処する事が極めて必要である事が痛感される。
 戦後見られた単なる頭数の増加よりも今こそ資質,能力の優秀なる個体の整備が急務である,優秀なる家畜にして畜産の進展があり,農業の躍進がなし得られる厳正なる事実を想うとき,種牡牛対策については県も団体も農民も一体となって進む事が何より肝要である。私は最近各種の会合に出てみて感じる事はあまりに県への依存心の強い事である。これは止むを得ない現実ではあるが,我々は苦しみに堪えて,協力一致の結び付きとお互いへの信頼感の一段の深さに依り新しい而も正しい構想への実現に各種の犠牲をしのびつつ進む必要のある事をこの変転期に於て特に感じるものである。