ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年4・5月

どうぶつ愛護に寄せて
応募入選作文!!
2等賞

動物を可愛がりましょう

岡山大学岡山青年師範
付属中学校3年
福田壮一

 有名なお噺話に出て来る浦島太郎は,動物を可愛がった注目すべき先輩であろう。といって架空の人物に先輩であり指導者であると称したりしても意味無いと思うが,未だにわかつていないという此の噺話の作者こそ,大きな力を持って動物愛護を指導した所の,動物達から言わせれば一つの大きな恩師であろう。
 誰もが周知の通り浦島太郎は浜辺で痛められていた1匹の海亀を助けてやったのであるが,他にも此の登上動物が変っただけで此の噺話に類似する愉しい話が多々あるが,要するに小学校の教科書に浦島太郎を掲げて幼い児童達に自発的に"動物を可愛がりましょう"と言う心持を理解させて感化させている事は本当に良い事だと思っている。殊に学芸会でそれを演劇して居るのを見る父兄観衆には果してどんなに大きな感銘を与える事であろう。
 これは亀だけの話であるが,その他フランダースの犬とか言う主人思いの名犬の話,……敵弾の為に小さな胸を鮮血に染めながらも目的を果したと言う伝書鳩の話……そして私達に対して大変役にたつ諸動物を上げて,彼等がいかに私達に利益を与えてくれているかと言う事を思うと,自然に彼等を可愛がらざるを得ないようになって来るものである。猫は夜に私達の敵である鼠を退治したりして,家庭にはぜひ一匹必要なものであるが,氷の張った川等に捨てられている小猫等を見ると思わず「オオ!可愛そうに!。」と私達は心から彼女を哀れみ,同時に飼主である主人の無情さを必然的に呪捨する心が沸いて来るのが常である。
 皆さん!この様な可愛そうな小猫を見たら見捨てない様に愛育してやり,どんなに猫が不用になった時でも捨てないように可愛がってやりましょう。
 私達の主食を作る手伝いをしてくれている,牛君や馬君にもきっと心の内に感謝しよう。荒鞭で,今にも生血が吹き出るかとばかりに乱打する馬車引きを時々見かけるが,殊に暑さの為に喉の乾く真夏の頃この様な景状を見た時は非常に何とも名状し難い馬に対する悲哀の念と馬を扱う人に対する憤怒の念を感じる。
 百姓の家に育った僕は,今は亡き馬を恋うているから馬の事ばかり言っているのかも知れないが,気の毒な馬君も,もとから怠ける気持は無いのだからどうかそんな非道な場面を見せないでほしいものだが,無論僕は此んな事は無いだろうと思っている。
 茶色のビロードの様に光沢のある肉付の良い可愛い健康な馬君よ!
 近頃次々と新しい松の肉体をついばんで枯して行く松喰虫を捕食してくれている,可愛らしい美しい小鳥達よ!
 そうして,私達の生活をより明るく,より美しくさせてくれる,柔らかい美しい毛と美しい声を持った小さくて可愛い多くの小鳥達よ!小犬よ!
 僕はそれらの動物に何ともしれないくらい愛着を感じる。
 今,全視野のスクリーンに演出するそれらの動物をそれぞれひとつひとつ撫でてやりたい。
 皆さん!こぞって動物を可愛がりましょう!(了)