ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年6月

本春の卵価の変化

 猫の目のように変るとは将に本年の卵価のことである。
 作秋17円,20円とした鶏卵が年末は12円本年2月には10円と急転直下下落の一途を辿り孵卵最盛期に入れば雛祭り花見客と一連の需要期となり値も立直るやに一褸の僥倖を期待していた業者間の憶測もものかは購買力の不振に加えて魚類野菜の安値に押され4月中旬には一挙に大阪着値420円とその底をついた,ここ2―3年間インフレフレームに育まれた戦後派養鶏家の心膽を寒からしめたものも無理からぬことである,……その後5月に入り値も除騰し630―650円台に保合し慚く養鶏家も安堵の生気が甦ってきたが何れにせよこれからの養鶏はその経営方式にも一段と着意を払わねばならないし又変転極まりない卵価の裏に陰に陽に関係をもつ取扱業者の思惑や余りにも零細な集荷組織の濫立に冷厳な批判を加え画一的な組織の統合を計る段階に到達しているといえよう。こころみに産業経済新聞より集録した本春の市況を登載し参考に供したい。(をごう生)