ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年6月

編集室から

☆サンマータイムが実施されて寝不足の眼が目立って多くなった,時間の利用をもつと有効にしたいものである。農村の集会に行ったら「今日の集まりはサンマかイワシか」「今日 はサンマじゃそうな,早よう行かんと遅れるぞ」「サンマもエエが日が高いでのゥ」とこんな会話が交されていた。
 お天道様を相手の農民にはサンマータイムはどうもピンと来ないらしい。家畜を相手に生活している畜産人も時間を相手に家畜を飼っては決していい家畜は出来ない,陽が上って熱くなっているのに鶏は鶏舎の中でケッケ,ケッケと騒いでいたり,陽がまだ頭の上にある時分にもう牛を廏に入れてこれからは人間の休息時間であると考えるようでは畜産人としては失格である。畜産人はもっとのんびりと陽と共に起き,陽と共に寝る生活をしてほしいものである。
☆発行以来本誌の編集に当り鋭敏な感覚と,繊細なタッチで縦横に敏腕振りを発揮していた小野君が転出して,編集同人もいささか気の抜けた感じである。後に続く者はドングリかも知れないが鳥も3羽寄れば何とかなるらしいので,新しい筆法と編集で進みたい。
☆中野君の鶏と鶩の貯蔵は将来の畜産食品の在り方を示すもので簡易に出来るものであるから活用されたい。種畜場の乳肉加工施設は近県に無いもので今後の活用が期待される。依託加工をも行う由,次第に畜産人の場としての性格が出て来てうれしい。
☆本誌も前回予告の如く有料誌とし,畜産研究会で発行するようにする,読者がなければ発行は中止しなければならないが某県の如く縮小もしたくない。各位の御声援をお願いします。