ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年7月

編集室から

◎誰だったか忘れたが,戦争は日曜日に始まるといっていた。朝鮮の南北が交戦を始めたのも御多聞に洩れず6月25日の日曜日の朝であった。大きくならなければ良いがと願う心は皆同じだと思う。

◎今日は岡山が5年前に空襲を受けた日である,全市が焼け野原となった当時の岡山がやっと昔の姿に近く復興したのに東洋の一角ではもう争いが始った,ノーモア,ヒロシマは日本だけの言葉ではない。お互に心しなければならない。

◎毎年のことながら田上げで又牛の値が下りそうである。この季節の値下りを起さないようにする為めには県の大きな販売網が必要である。国は大都市に国営の冷蔵庫を造って消費の調節をするそうであるがペーパープランに終らぬように願いたい。役肉両面で調節できれば季節的な牛の値下りも調節できるわけである,県も県畜蓮も強力な販売網の拡大の力をつくさなければ駄目である。

◎地方税法が決定すれば地方の牛馬税は廃止される運命にある,財源の無くなった畜産行政は翼を取られた鳥のようなものだ。畜産を伸ばすためには畜産人の零細な拠金が必要である,牛馬1頭に課せられた税金は煙草1個の代金であって,これが積って900万円となり姿を変えて種雄畜となって現れてきていたのであるが,元がなければ如何なる魔術者も手がでないであろう。牛馬税の言葉からくる感じが悪ければ名目は何でも良い,畜産を伸ばすための財産がほしいものである。畜産人の御協力を願うや切である。

◎8月号は和牛特集号とする各方面へ御寄稿をお願いして岡山の牛を全国へ紹介する計画である。岡山牛に対する読者の声を聞かして頂ければ幸いである。販路拡張にも使いたいと思っているので新しい思いつきがあれば御寄稿願います。(6月29日記)