ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和25年8月

編集室から

◎備前の夕凪は岡山に住んだ者でなければ味の判らないものである。午後4時,5時頃まで吹いていた南風がピッタリと止んで後は特有の無風状態となり,焼けた空気は遠慮なく水銀柱をおどらせる。これが夜11時,12時にならないとおさまらないので,町の中は岡山特有の夕涼みが始まり,家毎に1畳台を並べて隣り近所で話の花が咲く,一寸気の弱い者は狭い通りはさけて通る程である。サンマータイムは運用さえよければ結構であるが,夕凪の味を知らない人の計画としか考えられない。岡山地方に限って役所も会社も銀行も午睡の時間を作ったらどうだろう,午後は能率はたしかに上ると思うがこれも午睡の夢か。

◎寝不足でも編集室は大いに張り切って,この和牛特集号をお送りする。岡山の和牛を語って余す処なしと言いたいところだが思い余って筆足らずってところだ,アウトラインを飛行機で飛んだ位しか出ていない。全部出てないところに奥床しさがあるのである。岡山牛は使えば使う程味の出るものである,するめでも噛む気でじっくり味わって頂きたいものである。

◎御多忙の処を本号の為めに御執筆頂いた読賢に読者と共に厚く御礼申上げます。

◎本誌も広く会員を募集しているがまだ御申込みのない方が多い。御送金を頂くのが厄介な為と思う,課員が出張した時か,地方事務所の畜産の職員か,農業改良普及所の職員の方に依頼して頂けば畜産課の方へ連絡がつきます,至急にお申込を願います。