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アンゴラ兎飼育者の自重を望む

 最近輸出業者の集荷資金枯渇による,代金支払遅延と集買見合せの間隙につけ込んで,加工業者が安い値段で少量宛現金買いをしているものがあり,又一部県では更に悪質集毛業者が廃兎集業に転向して,飼育家の金詰りの弱味をとらえてアンゴラ兎は将来性がないと宣伝しつつ成兎を7,80円乃至100円の極く安い値段で,集買しては屠殺し,肉と毛を買却して,暴利を貧っていると言われるこれが原因は,価格の急落もさることながら,輸出業者の集毛資金の不円滑にあると考えられるので,アンゴラ兎毛についても輸出契約成立前の輸出関係資金融通手形の適用方を,通商産業省に協議中である。これが認められるようになれば最難関の金融の円滑化と共に,輸出の面も伸張するものと考えている。現在の状勢を基礎とした将来の一応見通しは,米国の需要が依然として多いのに比べてこれに対する供給は戦前の供給国であった英,仏,伊の生産が回復していないため,日本産兎毛の需要が減少すると思われる悪材料は認められない。米国1949年の輸入量は,149,542封度で一部バイヤーより伝えられる,需要量50万封度の30%にも達しない状態であるので,今仮にこの不足量35万封度の1/3約12万封度を,我国から供給するとすれば,成兎年間生毛量を1/2封度として,更に48万頭の成兎(輸出可能量は産毛量の50%として)が必要と言うことになる。只仏国の復興が可成目醒しいので,将来品質,価格等の点で競争相手となることが予想されるので,今日からその対策を考えつつ飼育する必要はある。大体以上のような状態で,アンゴラ兎毛の輸出は,将来性がないと言うデマに惑わされることなく,自重奮起するよう指導されんことを,切望してやみません。(畜産局畜産便りより)