ホーム岡山畜産便り復刻版 岡山畜産便り昭和25年11・12月号 > かね

かね

◎開催に当っては難航に難航を重ね,会期中には亦一大悲惨事を生じた此度の連合共進会は,当初畜産改良50周年記念と銘打った丈に,実に多難なる過去の歴史を物語るかのものがあった。
 今私はその感懐をめぐらすとき,此度の畜産改良史に尊き犠牲として逝かれた御霊前に謹んで哀悼の意を捧げると共に開催地の関係各位の御苦衷に深く敬意を表し度い。

◎中国連合畜産共進会と言えば,凡ゆる共進会と名付けられるものの中,その規模に於てその内容に於て最も盛大であり全国に冠たるものであることは既に定評をもつ。従って此の成績は全国に反響を呼び起し又指標を与えるものもある。殊に和牛はオール日本の最高水準を標ぼうするものである。

◎この和牛の全日本グランドチャンピオンは雌雄に岡山県が栄冠をかち得たのは周知の通り。曾つて明治33年第1回連合共進会以来,回を重ねること15回の歴史に於て,岡山県が和牛の雌雄共にグランドチャンピオン。亦馬の1等1席,乳牛1等2席と大家畜の全べてが優勝を遂げたことは,実に未曾有の事であり,満天下の畜産界に堂々と輝しいエポックを劃したと信ずる。

◎乞う!!我が岡山県畜産人よ!!「勝ってかぶとの緒を締めよ」の諺にならい,虚心且つ専心誠意を以て此の秋を機とし更らに飛躍向上への指針を練り,手に手を携えて「畜産岡山」の名声を恥ずかしめないようにして行こうではないか!!

◎この小誌「岡山畜産便り」も経営難,編集難にフラフラし乍らも遂に第12号を出す運びとなった。而もこの年末号が輝しい「畜産岡山」の栄誉の記事を満載し永く記録に留めて越年するとは想像もしなかった丈に私共は胸にこみ上げる喜ばしさを感ずる。
 振り返れば過去に於て本誌の永続性を疑われ,内容の価値を批判されつつ辛うじて続刊を続けてきた。これも一重に皆様の御支援による賜であると思う。どうか更らに立派なもの,有効なものに作り上げて広く愛読される様切に御願いする次第である。

◎毎号本欄に毒舌を駄筆に托していた私も,そぞろ1年を回顧して数々の喜怒哀楽の俗念を払い新しい年に新しい構想のもとに踏み出してゆき度いと考えている。
 年の瀬も迫り誌上を通じて御詫びやら謝意やらを取りまぜて申上げ更らに皆様の御多幸を祈る次第である。

◎振り返り仰ぎみるかわ年のくれ

(加本生)