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巻頭言

養鶏雑感

惣津 律士

 第2巻第1号掲載の農業センサスを御覧になった方は恐らく,まだまだ家畜,家?飼養の余地のある事を直感された事と思う。総農家戸数17万7千戸の内で和牛飼育農家が9万3千戸,鶏の飼育農家が12万2千戸となって居る。養鶏農家の戸数及び羽数については種々の関係で実際はこれ以上と思われるが,併しどこのうちでも鶏の4−5羽位は飼育していると思って居たのに一寸意外に感じさされる。
 勿論統計面のみで畜産の姿を云々する事は皮相であるが,中小家畜家禽が農家にもっと取り入られねばならない事だけははっきり了解されると思う。
 鶏種の改良については県の種畜場,民間の種鶏場が中心となって着々効果を挙げているがまだまだの域を出て居ない,更に鶏卵の出荷の面に於いては改善の余地が極めて多い。
 現在鶏卵の県外出荷は60万貫と推定されて居り,本県の大きい畜産移出品である。どしどし立派な雛と鶏卵が他県に移出されて好評を博す事が本県養鶏事業を進展さす鍵である。
 このためには度々申上げる如く養鶏人が心から団結しなければならない。この団結こそ養鶏人が誰しも心の中で要望しながら今もって実現を見ない弱点である。
 頑固な団結に依る組織の力に依って養鶏人の受ける利益は改良の面はもとより,飼料の獲得,販路の拡充等あらゆる面に於て甚大なるものがある。
 小田原評議と言う言葉があるが,いつまでも評議のみではしかたがないだろう。建設的の意見にみちた会合に依って一日も早く団結力の強化を図り明朗なる養鶏界を実現されん事を特に要望するものである。