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編集室から

「暑さ寒さも彼岸まで」とか,イースター季節を迎えて自然の恵みは万物の上にあまねく顕われて春の喜びを感じさせる。

◎シーズンのトップを切って春の岡山競馬が開催された。競馬法の一部改正で控除率を引下げることになったので,すぐ本県は近県に先んじて引下げを行うと共に100円券1本に改正した。射幸心理は何れの場合でも同じである。今回の改正は一般の歓迎されたようだ,機を見て断行してこそ生きる途が開かれることを教えられる。

◎毎年の春の彼岸を中心に動物愛護週間が行われるが今年も亦例年通り各地で盛んに行われたようだ。最近特に犬が殖えて来たので狂犬病予防の見地から犬の登録が実施された,牛馬税の100円は通過しなかったが犬の300円の登録料は知らぬ間に通ってしまった。そのトタンに浮浪犬が町にあふれて来た,野犬捕獲人が指定されて浮浪犬を捕獲してくれるそうだが,その実捕獲される犬はたいていの飼主のあるものばかりで,駅の附近や方々のお寺の境内に居るジステンバーに罹った犬達は一寸も捕獲されないらしい。犬の世界でも矢張り真の浮浪犬は厄介ものにされて誰もかまってくれない,300円の登録料は犬の保護施設に使用されるとか聞かされたが浮浪犬には一寸御縁が無いらしい。

◎3月県会はまずまず無事終了した。26年度予算は御承知の通り骨格予算であったが25年度の追加で思わぬ予算が通過して面喰ったのは執行部である。この予算がせめてもう3ヶ月早く通っていてくれたら生きた予算として使えたのに,とは陰の声である。12月県会で販売斡旋費を削られ乍らやっと株だけ残して貰って設置した畜連東京事務所も相当活発に活動を開始している。当初に要求通り通過していたらもっと積極的に宣伝もし,販路拡張も出来ていたであろうにと思われる。然しそれでも東京事務所開設の宣伝効果は大したもので,某県より「うらやましく存じ候」と来た。
その東京事務所が平塚の全国乳牛共進会場にまで出張して「岡山牛」の宣伝をやっていた。某県曰く「岡山は派手に宣伝をやるのう」と,

◎岡山県に関係の深い方々,近県の課長場長方に「外から見た岡山県の畜産」について遠慮の無い処を書いて貰うべくお願いしたが集ったのは一割にも達しなかった。畜産人は書かないので有名?であるがこんなに書いて貰えないとは思わなかった。然しこれも通り一片の依頼状で書いて貰えると思った方に間違いがあったらしい。貴重な原稿を頂いた方々に厚く御礼を申上げます。