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全国畜産主務課長・種畜場長会議決議事項

 農林省畜産局主催の全国畜産主務課長並びに種畜場長会議は5月8日,9日の両日東京の都道府県会館に於て,約300名の参集者を集めて開催され,第1日は局長の挨拶に始まり,主管部課長並びに家畜衛生試験場長より関係事項の説明,装蹄師法の一部改正法並びに家畜伝染病予防法案の説明,畜産局提出議題の説明等があり,第2日は午前中各県提出議題の協議を行い,午後は5ヵ所に委員会を設けて前日提出された畜産局提出議題の協議を行い,夫々委員長より協議経過の報告があって5時半散会した。その報告内容は次の通りである。

◎自立経済計画推進について

 委員会では本計画の当不当は論ぜず,この裏付措置の強化を図ればその達成は出来るものと意見が一致した。

 一.特に金融問題について,長期資金融通の場合畜産の枠の獲得と拡大を要望する。家畜導入資金についてもなるべくこの資金に乗せ,組合がその資金を借り受けて無畜農の解消を行い,その償還に当っては家畜の使用料及び生産された家畜を以て当て,利得の配分はこの資金を利用する会員に対してのみ行うようにすれば良い。

 二.農林中央金庫は零細農又は貧弱農に対し無情な面があるが,この傾向を払拭して欲しい。なお一般中金資金には利子補給の手段を講じてもらいたいが,その場合の保証は県が行い,利子補給は国で行う事を要望する。

 三.畜産物の取扱いが行政的に区々であるが,これを畜産物の商品化までは畜産局の所管とするよう改めてもらいたい。

 四.地方下部団体における一般畜産技術員の数は過少であり,これがため家畜商の膨大化を見ている。この際蚕糸局の例にならって地方団体技術者に国庫補助の措置をとられたい。地方団体の強化こそ畜産消流の鍵である。

 五.積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法に基く,畜産関係予算化措置を強力に推し進めてもらいたい。その使用に当っては重点的且つ緩急宜敷を得て実施されたい。

◎飼料対策について

 畜産局の示した飼料対策には各委員共賛成であったが,更に次の事項を考慮に入れると共に予算的措置を講じてもらいたい。

 一.飼料行政の一元化により強力に施策を進められたい。

 二.飼料作物についての技術員を採種圃等に新に置くと共に現存する技術員にも教育の徹底を図られたい。

 三.自給飼料の増産に資するため「草の週間」を設けて一大運動を展開し,種子を無償配布して河川敷,畦畔の草を改良し,又山村,荒廃地に飼料木を植林せしめよ。

 四.牧草や飼料の種子種苗を確保するため国営の採種圃を拡充し,その配布については無償あるいは補助を希望する。

 五.国内産麸及び糠等は極力飼料用に用い,その入手を容易にしてもらいたい。なお輸入飼料も安価な入手法を講じて欲しい。

 六.飼料の共同購入には融資措置を講じてほしい。

◎牛乳の取引改善について

 畜産局より示された牛乳の取引改善案には根本的に賛成を得た。但し委員会の設置については意見があり,或る地方では無要を主張した。この点立法の際更に検討して欲しい,法制化の時期については成るべく速くしてもらいたい。罰則については指導的な方針を重視して軽くすることを望む。一般畜産物については家畜市場問題が大きく採り上げられねばならず,屠場の民主化等についても当局配慮を望む。

◎馬の改良及び生産方針

 馬の改良及び生産については,農林省において立案し,先般斯界の指導者を集めた協議会において承認された案はその骨子とする所は適当であるが、次の事項を注意せられたい。

 一.用途別体型標準について,農馬及び輓馬の区分があるのを産業馬一本とすべきであるという意見もあるので,充分この点をも考慮すること。

 二.使役馬用途別体型標準の区分の農馬の体高を大型1.53mから1.65mとし,体重は471sから671sとされたい。

 三.種馬用途別体標準中農馬の中型は体高1.41mから1.53mとし、体重380sから530sとし、大型の体高は1.54mから1.68mとし,体重は530sから750sとされたい。

 四.優秀な種馬の輸入を図ること。

 五.軽種馬の資源こかつの状況にあるからこの生産の助長方策をとられたい。なお国有種馬の内,新しい方針に合しないものを淘汰し新体型のものを繋養されたい。

 六.共進会等における種馬の選定につき,運動能力標準の作製を望む。

◎家畜の改良増殖の促進

 一.優良種畜の確保について予算的に充分の措置をとられたい。種畜検査は農林大臣の責任において実施している以上その経費を地方に負担させるのは明らかに違法であるから所要最小限を国が負担すべきである。
 又種畜検査は,質の検査を入れたものとすると共に人的にかつ予算的に充分な規模をもった検査を行われたい。この検査において3級に属するものは合格種畜とすべきでない。
 検査員は大体各県2名となっているがこれを和牛,乳牛,種馬,衛生の各専門検査員として4名に改められたい。

 二.国有種牡畜を優良化し,貸付事業を強化されたい。国立種畜牧場には輸入種畜も入れて整備強化を図られ,なお恒久策として優良系統的種畜の指定配合等の方策を講じ,計画的改良を進められたい。

 三.家畜の登録及び能力検定事業の充実強化のための人件費,事業費の助成措置を講ぜられたい。

 四.家畜人工授精の普及とその組織の整備拡充をなし,その育成強化を国と地方が協力して努められたい。人工授精費に対する補助は2分の1の補助では困難であるから全額の国庫補助を要望する。その場合平衡交付金にならぬようにして欲しい。

 五.遺伝その他一般生産関係の技術員の設置も考慮して欲しい。