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畜産メモ

新しい化学飼料APFとビタミンB12

 最近話題にのぼっている新らしい化学飼料A・P・FとビタミンB12に就いてその概要を紹介する。
A・P・F(Animal Prutein Factor)とV・B12は最近の米国の飼料界に一大センセーションを巻き起こしたもので,A・P・Fとは或る微生物の力を借りてその醗酵性分泌物を濃縮した物から製造される所謂動物蛋白要素であり,V・B12は赤いビタミンの結晶体で抗貧血性成長促進の作用を有し現在米国では,A・P・Fと共に結核の特効薬のストレプトマイシンやオーレオマイシン等の製造過程から副産物として製造されている。又天然には魚体特に肝臓を含む魚蛋白中に多量に含有されていることがわかり最近では之をフイシュ・ソリユブルとしてこれを利用する研究が進められている。このA・P・FとV・B12とは発見当時は全く同一物だと考えられていたが最近ではA・P・Fには更にもう1つの因子−或る学者はV・B13と呼んでいる−を含んでいると考えられている。飼料中にA・P・F或はV・B12の微量を混ずると雛や鶏や豚やその他中小家畜の育成率や孵化率を2−3倍に向上させることが出来ると言われている。