ホーム岡山畜産便り復刻版 岡山畜産便り昭和26年7月号 > 編集室より

編集室より

◎サンマータイムも今年で3年,何事も3年すれば何んとか少しは物にもなるのに,このサンマータイムばかりは未だに賛否両論である。時をマスターする気があればそれ程気にすることも無いと思ってはみても,現実に来る睡魔には勝てそうもない。
 退庁後の時間を持て余して畜産課もO・B対Y・Bの野球戦に華を咲かせるが歳は取っても昔取った杵柄でO・Bはなかなか大したものである。こればかりは元気のみではどうにもならない。軽くひねられてY・B連くやしがること。お気毒様。

◎官庁文書はむつかしいもので通っていた。その官庁が公文書に平易な文章を使うようになってからもう5年になる。もういいかげん判り易い文章が書けてもよさそうに思うのに,さて原稿を依頼すると,いやに四角張ったり,チャンポンのものが出て来て編集子を面喰らわせる「……するや……の如き結果を招来するは論を俟たざる処にして……であります。」と来ると,さーて……と,朱筆を持ったまま何処から筆を入れたものかとしばらくにらめっこである。
 さてさて書くことはむつかしいものである。

◎今年は家畜の伝染病の流行で年度早々から忙しいことである。豚コレラ,ニューカッスル病と防疫班は予防注射に懸命である。7,8月ともなれば又流感の恐れが生じて来るが最近のニュースでは今年は予防液はまだ使用出来ないそうである。となれば今年も亦大流行を覚悟しなければならないかも知れない。そうなれば予防計画もしなければならないが,せめて治療薬品でも不足しないように手を打ってほしいものである。

◎香港向輸出牛は好調裏に第2陣を送る開拓者が苦心をしている間は文句を言いつつ眺め乍ら,さて成功すると我れも我れもと手を出したがり岡山が独尊するのはけしからんと喧ましいことである。此処にも開拓者の苦労ありか?