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編集室より

◎秋!!
 味覚の秋,音楽の秋,美術の秋,読書の秋,思索の秋,行楽の秋,スポーツの秋,共進会の秋………浮々とする春に比べて,人々の生活により親しみと落ち着きを感じさせる秋である。紺碧の秋空,白い雲,店頭を飾るとりどりの色彩,柿,栗,葡萄,梨,リンゴ,里芋,玉蜀黍,松茸,枝豆,沙魚,ちぬ,さんま,いわし………秋こそ自然の美しさを讃美させ,忘れられた自然の恵みに対し心からの感謝を献げたい。

◎世界の注視の内に講話会議が終った。これで日本もやっと独り歩きが許されたことにはなったが,困難はむしろ今後に残されている。恢復期の病人の如く独り歩きも出来ないくせに口だけ達者になって勝手な熱を吹いて諸国から睨まれないように注意したいものである。

◎老人の日が出来,老人週間が実施されて何処でも敬老行事が行われている。洵に結構な事である。一人前の人間を養成するのに20年掛るとすれば,成人の1年間の活動は貴重な1ヶ年である。戦時中の日本人の平均年齢は41−42才であった。換言すれば一人前の人間が20年位しか働いていないことになる。此処にも敗戦の遠因があったとすれば,成人は壮年であろうと老人であろうと大切にしなければならないわけである。アメリカでは恩給退職者のみで会社を組織して各方面のエキスパートを活用して効果を挙げていると聞く。国連でも「老人権宣言」が討議された由であるが,働く能力のある老人をもっと活用する制度を造りたいものである。

◎万国家禽会議を終え,アメリカに廻って居られる農林省畜産局神尾生産課長より,締切り後にお手紙が到着した。早速載せて皆様にお知らせ致します。武田氏の一石,吉岡氏の研究,貴重な原稿を頂き異彩を添えることの出来たことを感謝致します。