ホーム>岡山畜産便り > 復刻版 岡山畜産便り昭和26年11・12月号 > 裏作利用の飼料作物栽培試験 |
飼料高の今日畜産経営を合理化してこれを安定せしめることは最も必要なことでこれには先ず日々の支出面の大部分を占める飼料費の逓減を期することが必要である。この面においては幾多研究し又実行すべき事項があるが裏作を利用して飼料作物を栽培し濃厚飼料を節約することも極めて重要なことである。この意味で当場においては冬作で禾本科及荳科青刈飼料混播及混作試験を青刈燕麦の播種期試験を行うことにした。次にこの計画の大要について述べることとする。
本試験は農家の水田裏作を合理的に利用して飼料作物の栽培を実施する目的で禾本科及荳科の青刈飼料の混播及混作の収穫量の比較を実施しようとするものである。収獲の計画は次の通りとする予定である。
混播……1回収穫……2回収穫
混作……禾本科のみ2回収穫
禾本科…青刈燕麦・燕ムギ・ライ麦
荳科……コモンベッチ
9月中旬,10月中旬の2回とする
品種 | 混播 | 混作 |
禾本科 | 8.0升 | 6.0升 |
荳科 | 1.6 | 1.8 |
混播……荳科を禾本科の2割混入し9尺畦を作り撤播し,その上覆土を兼ねて鎮圧しその上に堆肥を施す。
混作……9尺畦を作り播種溝5条を作り,禾本科を播種しその中間に荳科を播種する。覆土の後堆肥を全面に散布する。
区分 | 堆肥 | 過石 | 硫安 | 摘要 |
元肥 | 300貫 | 2貫 | 3貫 | |
追肥 | 200 | − | 2 | 堆肥は禾本科刈取後施用 |
対照区 | 混播区 | 混作区 | ||||||
坪数 | 品種 | 播種期 | 坪数 | 品種 | 播種期 | 坪数 | 品種 | 播種期 |
3坪 | 青刈ライ麦 | 9月20日 | 10坪 | 青刈ライ麦 コモンベッチ |
9月20日 | 10坪 | 青刈ライ麦 コモンベッチ |
9月20日 |
3 | 青刈燕麦 | 9月20日 | 10 | 青刈燕麦 コモンベッチ |
9月20日 | 10 | 青刈燕麦 コモンベッチ |
9月20日 |
3 | コモンベッチ | 10月中旬 | 10 | 青刈ライ麦 コモンベッチ |
10月中旬 | 10 | 青刈ライ麦 コモンベッチ |
10月中旬 |
10 | 青刈燕麦 コモンベッチ |
10月中旬 | 10 | 青刈燕麦 コモンベッチ |
10月中旬 |
(一).播種面積は1区とし9坪とする。
(二).播種量は反当6升とする。
(三).肥料は反当堆肥300貫,過石3貫,硫安6貫。
(四).播種は第1回を9月10日に行い爾後10日目毎に第6回(10月30日)迄とする。―以上―