ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り昭和27年1月 > 無畜農家解消決議

無畜農家解消決議

 有畜農家創設維持に関する民間の強力な要望に応え,衆議院では11月26日,参議院では11月28日,夫々「無畜農家解消に関する決議案」を本会議に上程,衆議院では小笠原八十美氏(自)が趣旨説明を行い全会一致これを採択,参議院では北村一男氏(自)の趣旨説明に対し三橋八次郎(社左)永井純一郎(社右)の両氏が賛成討論を行ってこれを採択,ここに畜産の根本施策の確立についての年来の懸案は緒につき第13国会に堂々の歩を進めることになった。

有畜農家創設要綱

第1 目的

 有畜農家を創設することによって農業経営の合理化を推進し,その綜合生産力を高めることを目的とする。

第2 目標

 現在の無畜農家戸数335万戸中経営規模と経営状態から見て,有畜化が可能であり,且つこれを必要とするものを127万戸と抑え,これを少なくとも10ヶ年以内に有畜化することとし,第1次計画としては経済自立計画に基き昭和27年度から29年に至る3ヶ年間に約50万戸を有畜化せんとする。

第3 有畜農家創設計画

 第1次創設計画は下の通りとし,第2次計画以降は,経済自立計画に基く家畜増殖計画の実績を参酌して,別途,実施計画を樹立するものとする。

年次 創設戸数 家畜別導入頭数
乳牛 役肉用牛 緬羊 山羊
第一年
(昭和27年度)
204,000 10,000 55,000 11,000 42,000 41,000 72,000
第二年
(昭和28年度)
154,000 11,000 28,000 8,000 53,000 45,000 48,000
第三年
(昭和29年度)
140,000 13,000 23,000 5,000 66,000 40,000 28,000
498,000 34,000 106,000 24,000 161,000 126,000 148,000
第4 家畜導入資金及び利子補給

 有畜農家創設計画に基き農家に乳牛,役肉用牛,馬,緬羊,山羊及び豚を導入する場合これに必要な資金を確保する(総所要資金額の7割)と共に乳牛,役肉用牛,馬,緬羊についてはその金利の一部(5分相当額)を補給するものとする。第1次計画の所要額は次の通りとする。

年次 総所要資金額 要融資額 償還完了までの
利子補給額総額
備考
昭和27年度 3,408,200 2,385,740 331,177 要融資額は総所要額の7割とする。
昭和28年度 2,524,300 1,767,010 242,089
昭和29年度 2,440,100 1,708,070 238,044
8,372,600 5,860,820 811,310
第5 実施要領

(一)農林大臣は市町村有畜農家創設維持計画を基礎とした都道府県有畜農家創設維持計画を勘案して,各年度の有畜農家創設計画を定め,家畜導入資金の融資所要額と利子補給のための助成金の枠を概定して,都道府県にその目標を指示する。

(二)都道府県知事は上記の枠の範囲内で,農林中央金庫,信用農業協同組合連合会,及び市町村農業協同組合等の資金により原則として,市町村有畜農家創設維持計画の指定する農業協同組合に対する家畜導入資金の融通を斡旋する。

(三)家畜導入を行う組合は所要の家畜を購入して,市町村有畜農家創設維持計画に従いこれを原則として組合員に売却し,その代金を組合員に貸付する貸付金の返済方法は組合の償還方法に準じて定める。

(四)この措置における家畜導入については,立地条件及び経営規模に適合する畜種の選定標準並びに家畜別地帯別の各種導入条件に照し具体的に検討の上行うものとする。

(五)融資の条件は所要金額の8割を限度とし(平均7割)償還期限は据置期間(原則として1年以内)を含み,5ヶ年以内(原則として乳牛4年,役肉用牛及び馬5年緬羊,山羊豚,3年)とし,金利は原則として1割2分5厘とする。

(六)金利の補給は,乳牛役肉用牛,馬及羊の導入資金について行うものとし,年5分の金利相当額を都道府県を通じて,有畜農家創設計画によって容畜導入事業で行った組合に対して,融資額に応じて助成する補給期間は,融資期間同様とする。

(七)家畜の導入に当っては,特に次の点を励行せしめる。

 1 農家をして,所要資金の一部を組合に前納させること。
 2 家畜の購入は原則として,都道府県知事の斡旋によって計画的に行うこと。
 3 導入した家畜については,これを必ず農業共済保険に附すこと。
 4 借入金の償還期間内に,導入した家畜を更新,販売,又は淘汰する場合は償還確保に必要な条件を附すこと。
 5 組合は,組合員から貸付金の償還をうけた場合は,これを借入金返済以外の用途に支出しないこと。