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畜産ニュース

ハムスターについて

 最近試験動物の王の如く宣伝されているものにハムスターがあるが,巷間言われているものは聊か過大の恐れがあるので概略を記する。ハムスターの原産地はシリヤで1938年にアメリカの厚生省が初めてアメリカに輸入し,現在愛玩用及び研究用実験動物として飼育している。研究用実験動物としては癩病,結核等の移植の研究を主として使用され,最近は癌の研究の価値を認められた。
 ハムスターは齧歯類(一見鼠のようである)で大きさは6インチ程度生後4ヶ月で5−6オンス(37.5−45匁)になり,尾は4分の1インチで美しく前肢は4趾後肢は5趾である。繁殖力は鼠算的に旺盛である。アメリカに於ては1番4−6ドルで売買しているようであるが,元来用途としては実験動物として使用されるのみであるから需要は限定されている。
 殊に薬品の検定用にはモルモットの方が適しており,実際にはモルモットを使用しているので,実験用としても更に限定されているので,副業として飼養する場合には先ず実需者と契約後でないと販路に困るから注意する必要がある。(畜産局生産課)