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畜産ニュース

化石がカルシウム飼料に
小田郡,後月郡に無尽蔵

 岡山県小田郡,後月郡の2郡にわたる波形連峰に横たわる延々数里の一大化石は悠久の謎を秘めて今日に至っていたがこの程京都大学の地質学の権威者,上原博士などの熱心なる研究の結果,第3紀層時代(今より1億8,000万年前の小魚介動物類が化石となったものであることが立証された。砿量は露出しているもの約60万トンで,地下埋蔵量は無尽蔵ともいうべき一大化石との折紙が付けられた。 
 この化石の成分は鉄分,燐分,加里分硅酸分などが含まれ,カルシウム分90%が含有しているといわれている。又コロイド状のため消化吸収性に富み,家畜家禽類のカルシウム剤として,去る2月から地元,小田郡北川村三浦義栄氏方に「弥生本舗」が設立され採石,精製に取りかかっている。ここで精製されたものは「ヤヨイカル」と名命され一般に市販され始めた。
 今後ますます研究を進め,本県特産物として登場する日も近いことと大いに期待されている。