ホーム岡山畜産便り > 復刻版 岡山畜産便り昭和27年5月号 > 畜産ニュース 酪農講演会開催

畜産ニュース

酪農講演会開催

 組合員600名,乳用牛700頭を有する山陽酪農業協同組合の昭和27年度の総会は桜花満爛薫る4月11日笠岡市貫閲講堂に県議丸本組合長,坂本専務以下関係職員の出席を得て開催せられた。
 総会後新潟大学農学部長,農学博士齋藤道雄先生の酪農の将来と飼料問題について講演があった。3時間半に渉る救国革新の声は明治乳業株式会社笠岡工場長の御高配によって速記されてあるので後日プリントが作成されて一般に頒布されるが,大要は日本農業の沿革より今後世界場裡に立つ日本農業の革新要素についてであって農業生産力の拡大,拡大生産最高の農業型態は酪農(畜産)の外になしと言うことであった。そして酪農の効果は次の7つが主たるものであった。

1.牛乳の販売による現金収入
2.厩肥の生産による地力増進
3.役利用による農業機械化前進
4.山林原野河川の草地利用による耕地の間接的増加
5.牛乳自家用利用による食生活改善
6.農業の科学化,数理化,(労働の生産性向上)
7.農業の協同化促進

 又酪農における飼料資源の選び方は前項の4項にすることであった。

1.経営副産物に依存すること。
2.飼料作物の栽培
3.草地の造成
4.購入飼料

 其の他種々今後の酪農経営上重要なる点多々あったが以下省略する。