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肉牛審査標準作成小委員会

 昨夏兵庫県温泉町で開かれた,中国和牛協会主催の年次大会で京都府提案の肉牛審査標準の作成について去る1月21日に神戸市に於て第1回委員会が開催され,羽部会長,石原部長,上阪教授を中心に京都,三重,兵庫,滋賀,香川,愛媛の各府県関係者が参集して審査標準作成上の根本方針並審査標準の主要項目等につき協議せられたが,細部的な事項は小委員会を作ってそれに委ねることになりその第1回小委員会を3月22日京都の全国和牛登録協会事務所で開催された。
 当日の主席者は,羽部顧問,石原部長,上阪教授を始め本省より宮下技官,
 京都府 北田騰蔵
 兵庫県 中沢嘉平
 山口県 中村健士
 滋賀県 梅津 哲
 三重県 大村富紀
 愛媛県 津田 謙
 香川県 飛多宇市
の外5名で午前午後の亘り審査標準作成につき熱心に審議を重ねられ,午後打揃うて上京区上加茂の肥育組合を見学し,肉牛数頭につき実地研究が行われ午後4時散会された。
 因に上小委員会で作成された試案は24頁(記載)の通りである。

肉牛審査標準(案)

 体躯広く,深く,体積豊かで,長方形を呈し,均称宜しく,肉付なめらかに厚く,適当に緊り,均等に附着し,皮膚柔軟被毛繊細,骨細く,角蹄の質良好,肥育完成時における年令は牝では満3−6才,牡又は閹では満2−3才にして次の如き体重及び大きさをもつこと。

      牝 牡又は閹(満2才)
体 重 525 − 635s(140 − 170貫) 500 − 600s
体 高 125 − 130p(4.13−4.30尺) 127 − 132p
胸 囲 200 − 225p(6.60−7.42尺) 190 − 205p
管 囲 15.5−17.0p(0.51−0.56尺) 18.0−20.0p
均称
体積
体躯広く,深く,胴伸びよく体上体下線平直で,長方形を呈し,頭,頸体躯,四肢の釣合のよいもの 15
肥育程度 満肉にして,下賺部及び乳房部に脂肪の充分に廻っているもの,ただし過肥におちいっていないもの 15
肉及び脂肪の附着状態 肉付及び脂肪の附着は均等で,厚くなめらかにして適当に緊り,とくに背腰と後躯の肉付のよいもの 15
皮膚
被毛
皮膚は柔軟で弾力にとみ,厚さ適度なもの被毛は細く,柔らかく,密生したもの 10
角,蹄 角はその質緻密で光沢があり,細く形のよいもの蹄は良質で形のよいもの 7
肢と尾杖との骨の細いもの 8
頭顎部 頭部軽く,顔の長さと幅の中等なもの,額は緊りよく,耳は中等大で,眼の温和なもの頬は豊かで,頸は強く,口先の大きいもの頸は厚く短く肩への移行宜しく胸垂の適度なもの 4
前躯 肩は緊密に附着し,き甲厚く,肉付なめらかで,肩後のよく充実したもの胸は広く,深く,胸前と肘後とはよく充実し,胸底平らなもの 5
中躯 背腰は広く,長く平直で,肉付厚くなめらかなもの肋はよく張り深く,肉付はなめらかで厚いもの腰はゆるくなく下賺部のよく充実しているもの 13
後躯 十字部は平らで,腰角は突出せず,腰角間の広いもの尻は広く,長く平らで,尾枕のないもの腿は上腿下腿とも厚く,広くよく充実したもの 8
満点 100