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岡山県有畜農家創設要綱決る

 去る5月7日岡山県告示第387号で岡山県有畜農家創設要綱が発表された。その内容は次のとおりである。

岡山県有畜農家創設要綱

第一 目的
 有畜農家を創設することによって,農業経営の合理化を推進し,その総合生産力を高めることを目的とする。

第二 目標
 現在の無畜農家戸数79,800戸中経営規模と経営状態からみて,有畜化が可能であり,且つ,これを必要とするものを38,000戸とおさえ,これを少くとも10箇年以内有畜化しようとする。

第三 定義 
 この要綱において「有畜農家」とは,別表第1の基準に適合する農家をいい,「家畜」とは,乳牛,役肉用牛,馬,緬羊山羊及び豚をいう。

第四 有畜農家創設計画の策定
 一 有畜農家を創設しようとする市町村長は,毎年12月末日までに,翌年度の当該市町村の有畜農家創設計画(以下「市町村計画」という。)を定め,知事に提出するものとする。市町村計画は,下の事項を含むものとする。
 (1)自然的,経済的立地条件
 (2)有畜営農の現況
 (3)採用する有畜営農の形態
 (4)耕地,草地,林地その他畜産経営に利用しうる土地の利用現況並びに計画
 (5)有畜農家として創設すべき無畜農家数及びこれに必要な家畜の種類別導入頭数
 (6)前項に必要な家畜の導入先,導入時期及び導入方法
 (7)畜産生産物の生産及び販売の現況並びに計画
 (8)畜産関係施設の現況及び整備計画
 (9)有畜農家の創設に必要な事業を行う農業団体の概況
 (10)有畜農家の創設に必要な経費及びその調達方法
 (11)有畜農家創設計画達成時の総合的経済効果
 二 市町村計画は,別記様式第1号により別表第2の家畜導入標準に基き当該地区の農業委員会及び農業協同組合等関係団体と協議の上,策定するものとする。
 三 地方事務所長は,町村計画に副申書を添付して知事に送達するものとする。
 四 知事は,市町村計画に基き,毎年県の有畜農家創設計画(以下「県計画」という。)を定め,毎年2月末日までに農林大臣に提出するものとする。
 五 知事は,上の計画について,農林大臣の指示に基き,家畜別導入標準に照して,立地条件及び経営規模に適合する畜種を審査選定し,家畜導入資金の融資所要量と利子補給のための助成金のわくを概定して,市町村に指示するものとする。

第五 家畜導入資金
 知事は,市町村計画に基き,農家が,家畜を導入する場合は,農林大臣の指示する資金わくの範囲内において,これに必要な資金の融通を農業協同組合(以下「組合」という。)にあっ旋する。
 一 知事は,市町村計画の指定する組合に対する家畜導入資金の融資については,原則として農林中央金庫,信用農業協同組合連合会及び市町村農業協同組合等(以下「融資機関」という。)の資金からあっ旋する。
 二 融資額は,所要資金の7割を標準(最高8割を限度)とし,融資機関から組合に融資する場合の金利は,その融資機関の中期融資金利によるものとする。
 三 償還期限は,据置期間(原則として1年以内)を含み,乳牛は4年以内,役肉用牛及び馬は5年以内,緬羊,山羊及び豚は3年以内とし,組合員が組合に分割納入する。
 家畜の購買代金の金利は,年7分5厘をこえてはならない。

第六 家畜導入資金の調達
 一 有畜農家創設のために,家畜導入事業(以下「家畜導入」という。)を行うものは,原則として単位農業協同組合とする。
 二 家畜導入を行う組合は,有畜農家になろうとする組合員(以下「組合員」という。)から,所要資金の自己負担分(予定購買原価の3割以上)をあらかじめ徴収するものとする。
 三 融資を受けようとする組合は,有畜農家創設事業計画書(別記様式第1号)3部及び市町村長の副申書並びに融資機関が必要とする書類を添付した借入申込書(別記様式第2号)を提出して,知事の認証を受け,融資機関に申請するものとする。
 四 融資の決定又は貸付を受けた組合は,決定を受けた日又は貸付を受けた日から5日以内にそれぞれ融資決定報告書(別記様式第3号)及び貸付金受領報告書(別記様式第4号)を知事に提出しなければならない。

第七 利子補給
 融資を受けた組合に対する利子の補給は,融資額の金利のうち,乳牛役肉牛馬及び緬羊に対してその1部,(年5分相当額)を,地方事務所長又は市長を通じて組合に補給する。但し融資機関が指示した延滞利子については,この限りでない。
 補給期間は,融資期間と同様とする。
 一 自己資金による組合に対する利子補給は,その組合員に家畜を引き渡した日から起算する。
 二 組合が利子の補給を受けようとするときは,借入金の利子を支払った日から,15日以内に利子補給申請書(別記様式第5号)に,融資機関の家畜導入資金利子支払証明書(別記様式第6号)を添えて,知事に提出しなければならない。
 三 知事は,前項の申請があったときは,審査の上,すみやかに補給金を交付するものとする。

第八 家畜導入
 一 地方事務所長及び市長は,毎年11月末日までに,翌年度の管内の家畜需給計画(別記様式第7号)を知事に報告するものとする。
 二 知事は,前項の計画を勘案して,県の家畜需給計画を定め,市町村長に必要な指示を行うものとする。
 三 家畜の導入は,知事のあっ旋により,組合が行うものとする。但し,組合は,前項の家畜の導入を,知事の適当と認める団体に委託することができる。
 四 組合は,導入した家畜を組合員に一定条件を附して原則として売却するものとする。5組合は,前項の規定により売却した家畜の代金のうち組合員の前納した金額を差し引いた額を,組合と融資機関との間の融資条件に準じて,その組合員に月賦又は年賦で納入させるものとする。
 五 組合は,家畜の導入を完了したときは,そのつど10日以内に導入完了報告書(別記様式第8号)を知事に提出しなければならない。

第九 融資金の返済及びその保証
 一 組合は,購買家畜を鉄道輸送するときは,輸送保険を附するものとする。
 二 組合員は,家畜を取得したときは遅滞なくその家畜について,家畜共済保険に加入し,取得家畜の代金の未済期間中は,その保険金代理受領委任状を組合に提出するものとする。
 三 組合は,前項の保険金代理受領委任状を借り入れた家畜購買資金の担保に供する以外の用途に使用してはならない。
 四 組合員は,取得家畜の代金未済中は,組合の承認を得ずして,その家畜を譲渡し,売却し,交換し又はと殺することはできない。
 五 組合は,家畜導入に関する経理を特別計画として区分し,必要な帳簿を整備しなければならない。
 六 組合は,組合員から返済を受けた家畜代金分割納入金を,家畜導入融資金の返済以外の用途に使用してはならない。

第十 報告及び検査
 知事は,必要があると認めたときは,市長村又は組合に対して,有畜農家創設事業について報告させ又は必要な指示及び検査をすることができる。

第十一 その他
 一 利子補給金の交付を受けた組合が下の各号の一に該当する場合においては,知事は,補給金交付の指示を取り消し又は既に交付した補給金の全部若しくは一部の還付を命ずることがある。
 (一)借入金を家畜導入の使途以外に使用したとき。
 (二)補給金の使用方法を不当と認めたとき。
 (三)その他この要綱の条項に違反したとき。
 二 この要綱により,知事に提出する書類は,町村にあっては地方事務所長を経由するものとする。

別表第1 有畜農家基準
 経営農用面積につき飼養成畜頭数が下表の頭数以上であり,且つ,下表の家畜単位の範囲内のものを有畜農家とみなす

経営農用地面積 乳 牛 役肉用牛 めん羊 山 羊 家畜単位
3反未満 1 1/3 1/2 1 1 1/2 0.1−1.1
3反以上5反未満 1 1/2 1/2 1 1 1 0.1−1.2
5反以上1町未満 1 1 1 2 2 1 0.2〜1.2
1町以上2町未満 2 2 1 (3) (3) (2) 1.3−2.4
2町以上 2 3 1 (3) (3) (3) 1.3−3.6

別表第2 家畜導入標準(岡山畜産便り3月号4頁参照のこと)
別記様式第1号から第8号までの様式は紙面の都合上省略(県公報5月7日付告示第387号参照のこと。)