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仔豚,種雛の発育に及ぼす抗生物質の効用試験

岡山種畜場

一.試験の目的

 豚及び鶏に対する抗生物質の利用は飼料の利用効率を高め成長歩合を増進すると共に抗病力を増大,斃死率を低下させる等の数々の試験結果が報告され,飼料界に大きな波紋を起こしている現状であるから当場で厳密な試験を実施し,これが効果を確認し関係者の参考に供したい。

二.試験の方法

(イ)仔豚の発育に関する試験

 当場生産仔豚6頭(2月1日生)を供用し,試験区と対照区に夫々3頭宛供用し試験には第五物産株式会社製の「エサゲン」(500g中に米国ファイザー会社製テラマイン27g,米国U・S・I会社製ビタミンB12に製剤13.5gを含む)を給与し,昭和27年3月27日より実施,6月24日に終了の見込である。
 試験区の給与飼料は対照区に比し粗蛋白質の含有量を少量ならしめると共に魚粉の如き高価な蛋白質飼料の給与量を減少せしめ,主として飼養経済の面から上「エサゲン」の効果を調査する。目下実施中である。

(ロ)哺乳仔豚に関する試験

 同1日令の姉妹母豚を2頭用いこれを試験区及び対照区に別ち試験区には分娩前1ヶ月より「エサゲン」を給与し,これが生産仔豚の健康状体,発育状体を対照区と比較検討すると共に更に生産仔豚の内哺乳期間中「エサゲン」を給与したものと給与せざるものに別ち種々観点からこれが効果を調査する。試験期間3月23日より7月20日までで目下試験実施中である。

(ハ)育雛におけるバシトラシン給与試験

 本試験には3月20日孵化の種雛400羽を試験区,対照区に200羽宛別ち試験区に米国U・S・I会社製のバシトラシン製剤を添加し雛の発育健康状体を比較検討すると共に飼養経済の面からも上製剤の効果を調査する。両区の給与飼料及び給与量は別表1,2の通りであるが試験区には魚粉の含有量が少量であることに特に注意願いたい。

(ニ)育雛におけるビタミンB12及びアンチピオチツク,フイードサツプリメント合剤給与試験

 本試験には米国U・S・I会社製の上記合剤添加剤を用い試験区には4月5日孵化当場産種雛200羽対照区には200羽を夫々供用と前項(ハ)と同様の目的で試験を実施する。
 給与飼料及び給与日量は別表2,3の通りである。
 育雛試験は3月21日及び4月6日より既に試験中であって3月21日開始のものについては既に試験区の方が対照区に比し顕著な効果があることを覗知し得る。尚第3配合飼料は相当魚粉の給与量を減少せしめている事に注意願いたい。

三.試験経過

 上記4つの試験は現在継続中で未だこれが結果については抗生物質の添加は相当の成果を挙げ得るものと信じられる。

別表1 第1 配給飼料給与量表(試験区)

入雛後日数 1−5日 6−10日 11−20日 21−30日 31−40日 41−50日
給与量 4g 10g 17g 26g 32g 35g
区分 配合% 35
玉蜀黍 40 30 20 25 25 25
屑麦 20 15 20 15 15 15
小米 40 30 20 10 10 10
10 10 10 10 10
脱脂糠 10 15 15 15 15
大豆粕 5 15 15 15
魚粉 5 10 10 10 10
食塩 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
コロイカル 2 2 2 2 2 2

別表2 第2 配給飼料給与量表(対照区)

入雛後日数 1−5日 6−10日 11−20日 21−30日 31−40日 41−50日
給与量 4g 10g 17g 26g 32g 35g
区分 配合%
玉蜀黍 40 30 20 25 25 25
屑麦 20 15 20 15 15 15
小米 40 30 20 10 10 10
10 10 10 10 10
脱脂糠 10 15 15 15 15
大豆粕 5 5 5 5
魚粉 5 10 20 20 20
食塩 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
コロイカル 2 2 2 2 2 2

別表3 第3 配給飼料給与量表(試験区)

入雛後日数 1−5日 6−10日 11−20日 21−30日 31−40日 41−50日
給与量 4g 10g 17g 26g 32g 35g
区分 配合%
玉蜀黍 40 30 20 25 25 25
屑麦 20 15 20 15 15 15
小米 40 30 20 10 10 10
10 10 10 10 10
脱脂糠 10 15 15 15 15
大豆粕 5 10 20 20 20
魚粉 5 5 5 5
食塩 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
コロイカル 2 2 2 3 2 2