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編集室より

◎講和条約は発効したが,世の中は反って殺伐な事件ばかりが続出して,平和への希望が薄らいで行くのはどうしたことか,7年間に訓練された筈の民主主義も,日本流に解釈して,日本式民主主義が流行している様である。狭い日本より開放されて,世界の一員としての日本になったのである。世界に通ずる物の見方をして行かなければならない。世界は独り立ちした日本の動きに注目している筈である。ヨチヨチ歩きの日本が支えが無くなったからといって急に走り出して転ばぬ様にしなければならない。敗戦という高い代価を支払って獲得した民主主義を破壊しないようにしたい。

◎泰山鳴動鼠1匹有畜農家創設事業で360ヶ町村に割当られた家畜は1,490家畜単位である。新聞にラジオに大々的に宣伝して農民に大きな期待をさせておいて,さて割当を見ればこの有様である。末端の割当を行う県も困るが町村も困っている。
 農業経営の上に酪農の有利なことは判っているが,資源の少い乳牛にのみ力を入れ,頭数に余猶のある和牛を後廻しにし,然も実質的には利用価値の少い豚,山羊等の融資額を考えるとき,何か割り切れないものを感じる。今少し実情に合う様な計画がほしいものである。

◎本年度第1回の乳牛高等登録の体格審査が行われた。審査頭数は40頭であって,内2頭は牡であったが,最高77.7点,平均76.2点が示すように今回のものは何れも優秀なもので雑物の少なかったことはそれだけ本県の乳牛の進歩を物語るものである。この調子で改良が進めば本県の牛も大したものになって来ると思う。特に新しい地帯にいい牛が居り,種牡牛の成績も顕われてたのもしい限りであった。折角の御精進を祈って己まない。