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昭和27年度定期種畜検査概況

 本年の種畜検査は,農林省畜産局より小林,坂本両技官,鳥取種畜牧場より藤井技官の出張を得て,4月22日より5月18日に至る約1ヶ月間,3ヶ班に分れ,県下44ヶ所に於て実施された。
 受検種畜は,和牛394頭,乳牛18頭,馬12頭,計424頭で昨年と略同数であった。尚この外和牛生産地帯に於て幼令牛58頭の衛生検診を行い,又国有,県有貸付の種牡緬,山羊も夫々もよりの検査場に牽付けて飼育管理の状態を検査した。
 その概況を申上げると,

一.飼育管理の状態は県下中北部に於て昨年に比し著しく良くなったと思われるが,後月郡他1,2郡については,今後更に一層の改善留意が望ましい。

二.検査の結果,和牛54頭,乳牛3頭の3級合格牛を見たが,これは現在検討されつつある,家畜改良増殖法改正の要旨から将来不合格となる見込であるので,体型,資質の点からも今後種畜選択の上に一段の研究を願いたい。

三.家畜改良の基調をなす台帳の整理は和牛に於ては一般に不良で,中には全く所定の記載のないものがあるという状態が見受けられ,その都度注意したのであるが,各管理者一層の自覚と各郡畜連の指導をお願いする。

四.供用種畜は和牛279頭,乳牛18頭,馬12頭であったが,特に和牛に於て,昨年に比し約50頭の減少を見たが,これは人工授精が急速に普及した結果であって特に注目される。

五.国有,県有貸付種牡緬,山羊の飼育管理の状態は一般に良好とは言い難く借受人の選定並びに不断の指導が必要である。

 以上の点であります。尚後月郡県主村の岡田氏は検査の帰途,種牡牛に突かれ死去された。慎んで弔意を表すると同時に,一般管理者各位の不断の御注意をお願いする次第です。
 検査成績は下表のとおりであります。

家畜の種 類 申 請 頭 数 検        査        頭        数 不参頭数 供用種牡畜数 備考
総数 新出願 前回合格 総数 合       格       頭       数 合不格頭数
総     数 新  出  願 前 回 合 格
総数 1級 2級 3級 総数 1級 2級 3級 総数 1級 2級 3級 総数 新出願 前回合格 総数 人工用 自然種付
和  牛 396 117 279 395 388 26 308 54 113 86 27 275 26 224 25 7 4 3 1 279 76 203
乳  牛 18 2 16 18 18 6 9 3 2 2 16 6 8 2 18 14 4
12 12 12 12 12 12 12 12 2 10
426 119 307 425 418 32 329 57 115 88 27 303 32 244 27 7 4 3 1 309 92 217